▼夏貸文庫/表紙 >
案内 >
まめ辞典 |
■ 陰暦における月の異称
◆◆注意◆◆
陰暦(旧暦)では現代と季節にずれがあります。
一月〜三月が《春》、四月〜六月が《夏》、七月〜九月が《秋》、十月〜十二月が《冬》になります。
月 | 異称 | 読み | 別称 |
---|---|---|---|
一月 | 睦月 | むつき | 正月(しょうがつ)/孟春(もうしゅん)/初春(しょしゅん)/陽春(ようしゅん)/端月(たんげつ)/年端月(としはづき)/解凍(かいとう)/子の日月(ねのひづき)/霞初月(かすみそめづき)/暮新月(くれしづき)/早緑月(さみどりづき)/初空月(はつそらづき)/初春月(はつはるづき)/初見月(はつみづき)/大簇・太簇(たいそう) |
二月 | 如月 | きさらぎ | 仲陽(ちゅうよう)/仲春(ちゅうしゅん)/梅見月(うめみづき)/梅つ月(うめつつき)/梅つ五月(うめつさつき)/小草生月(おぐさおいづき)/令月(れいげつ)/花朝(かちょう)/恵風(けいふう)/木の芽月(このめづき)/雪消月(ゆきぎえづき)/夾鐘(きょうしょう) |
三月 | 弥生 旧字〔彌生〕 | やよい | 季春(きしゅん)/晩春(ばんしゅん)/暮春(ぼしゅん)/殿春(でんしゅん)/嘉月(かげつ)/花見月(はなみづき)/花つ月(はなつづき)/桜月(さくらづき)/早花咲月(さはなさづき)/春惜しみ月(はるおしみづき)/夢見月(ゆめみづき)/祓月(はらえづき)/竹の秋(たけのあき)/姑洗(こせん) |
四月 | 卯月 俗字〔夘月〕 | うづき | 卯の花月(うのはなづき)/孟夏(もうか)/首夏(しゅか)/初夏(しょか)/夏初月・夏端月(なつはづき)/夏半(かはん)/仲呂・中呂(ちゅうりょ)/麦秋(ばくしゅう)/木の葉採り月(このはとりづき)/鳥待月(とりまちづき)/花残月(はなのこりづき・はなのこしづき)/乏月(ぼうげつ) |
五月 | 皐月 本字〔皋月〕 | さつき | 早苗月(さなえづき)/仲夏(ちゅうか)/雨月(うげつ)/月見ず月(つきみずづき)/田草月(たぐさづき)/橘月(たちばなづき)/吹雪月(ふぶきづき)/梅の色月(うめのいろづき)/梅月(ばいげつ)/さくも月(さくもづき)/賤間月(しずまづき) |
六月 | 水無月 | みなづき | 季夏(きか)/晩夏(ばんか)/長夏(ちょうか)/溽暑(じょくしょ)/常夏月(とこなつづき)/風待月(かぜまちづき)/松風月(まつかぜつき)/鳴神月(なるかみづき)/青水無月(あおみなづき)/蝉の羽月(せみのはづき)/涼暮月(すずくれづき)/い涼暮月(いすずくれづき)/遯月(とんげつ)/林鐘(りんしょう) |
七月 | 文月 | ふづき ふみづき | 文披月(ふみひらきづき)/初秋(しょしゅう)/孟秋(もうしゅう)/新秋(しんしゅう)/秋の初月(あきのはづき)/七夜月(ななよづき)/棚機月(たなばたづき)/愛逢月(めであいづき)/袖合月(そであいづき)/親月(おやづき)/蘭月(らんげつ)/流火(りゅうか)/女郎花月(おみなえしづき)/夷則(いそく) |
八月 | 葉月 | はづき | 仲秋・中秋(ちゅしゅう)/仲商(ちゅうしょう)/清秋・盛秋(せいしゅう)/秋涼(しゅうりょう)・迎寒(げいかん)/素月(そげつ)/紅染月(こうぞめづき)/濃染月・木染月(こぞめづき)/其色月(そのいろづき)/染色月(そめいろづき)/葉落月(はおちづき)/桂月(けいげつ)/桂秋(けいしゅう)/月見月(つきみづき)/燕去り月(つばめさりづき)/秋風の月(あきかぜのつき)/草つ月(くさつづき)/ささはなさ月(ささはなさづき)/南呂(なんりょ) |
九月 | 長月 | ながつき | 季秋(きしゅう)/晩秋(ばんしゅう)/暮秋(ぼえき)/涼秋(りょうしゅう)/梢の秋(こずえのあき)/菊秋(きくあき)/菊月(きくづき)/色取月(いろどりづき)/紅葉月(もみじづき)/小田刈月(おだかりづき)/寝覚月(ねざめづき)/授衣(じゅい)/太衝(たいしょう)/無射(ぶえき) |
十月 | 神無月 | かんなづき かみなづき | 神在月(かみありづき)/開冬(かいとう)/初冬(はつふゆ・しょとう)/孟冬(もうとう)/陽月(ようげつ)/小春(こはる・しょうしゅん)/小六月(ころくがつ)/時雨月(しぐれづき)/初霜月(はつしもづき)/応鐘(おうしょう) |
十一月 | 霜月 | しもつき | 霜降月(しもふりづき)/霜月(そうげつ)/仲冬(ちゅうとう)/暢月(ちょうげつ)/神楽月(かぐらづき)/星紀(せいき)/露隠りの葉月(つゆごもりのはづき)/子月(ねづき)/風寒(ふうかん)/雪待月(ゆきまつつき)/雪見月(ゆきみづき)/黄鐘(こうしょう) |
十二月 | 師走 俗字〔師赱〕 | しわす | 季冬(きとう)/晩冬(ばんとう)/極月(ごくげつ)/窮陰(きゅういん)/臘月(ろうげつ)/三冬月(みふゆづき)/雪月(ゆきづき)/年積月(としつみづき)/春待月(はるまちづき)/梅初月(うめはつづき)/苦寒(くかん)/暮古月(くれこづき)/親子月(おやこづき)/乙子月(おとごづき)/弟月(おとうづき・おとづき)/大呂(たいりょ) |
※《旧字》……1946年の当用漢字公布まで、学校教育で正しいと教えられてきた字体。
※《本字》……本来の字体で、旧字や常用漢字に含まれない字体。
※《俗字》……本字を略したり部品を替えたりした、正式でない字体。ここでは、常用漢字、旧字、本字に含まれない字体。
※《常用漢字》……法令・公用文書・新聞等、一般の社会生活において使用する目安とされる漢字。
(参考文献『広辞苑 第4版』岩波書店)
旧暦(きゅうれき)
現代の日本で使われているのは太陽暦(陽暦)に合わせた「新暦」です。
しかし農作業や伝統行事では、現代でも旧暦を使う場面が多くあります。
空に月が見えない新月の日が月の始まり「朔日(サクジツ・ついたち)」、
月の最終日が「晦日(カイジツ・みそか・つごもり)」で、まさに月の満ち欠けがそのまま一ヵ月になります。
旧暦の大の月、小の月は新暦の「ニシムクサムライ」のように毎年決まった月ではありません。
その年ごとに暦で決められます。
陰暦では1年が354日になり、年々季節とずれてしまうため、1年365日の陽暦との差を調整するため、
19年に7度の割合で閏月(うるうづき)を加えて13ヵ月にします。この閏月も何月になるか決まっていません。
明治政府は旧暦の明治5年(1872)12月3日を、新暦の明治6年1月1日としました。
国際的に使われているグレゴリウス暦(グレゴリオ暦)に合わせるためですが、明治5年12月分の給料を削減するために強行したという説もあります。
旧暦では、閏月生まれの人や30日生まれの人は誕生日が不定期になります。
昔の人が正月で1歳年をとったのは、旧暦では誕生日が毎年来ない人がたくさんいるからかもしれません。
(参考文献『図録・古文書入門事典』若尾俊平:編著/柏書房)
▲まめ辞典に戻る
[2003/03/03]
無断転載禁止/リンクはフリーです
Copyright(C) 2001-2003 詞己 All rights reserved.