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■ 尺貫法(しゃっかんほう)
◆尺貫法の単位
◇長さ・距離の単位(ミリメートル、センチメートル、メートル)
毛(もう)・厘(りん)・分(ぶ)・寸(すん)・尺(しゃく)・丈(じょう)・間(けん)・町(ちょう)・里(り)
◇面積の単位(平方メートル、アール)
勺(しゃく)・合(ごう)・坪(つぼ)・歩(ぶ)・畝(せ)・反(たん)・町(ちょう)
◇容量(容積)の単位(ミリリットル、リットル、キロリットル)
勺(しゃく)・合(ごう)・升(しょう)・斗(と)・石(こく)
◇質量の単位(ミリグラム、グラム、キログラム、トン)
毛(もう)・厘(りん)・分(ぶ)・匁(もんめ)・斤(きん)・貫(かん)・銖(しゅ)・両(りょう)
◇尺貫法の解説・歴史
▽尺の歴史
▽升(枡)の歴史
◇尺貫法以外の計量単位
◇参考文献・お役立ちグッズ NEW 10/16
◆尺貫法を使った慣用句・語句(別ページ)
長さ・距離
◆尺(しゃく)
尺貫法における長さの単位の基本。
1891年(明治24年)に度量衡法により、10mの33分の1と定められました。
《参考》 尺の歴史 (曲尺・鯨尺について)
◆尺貫法の長さの単位
毛(もう)・厘(りん)・分(ぶ)・寸(すん)・尺(しゃく)・丈(じょう)・間(けん)・町(ちょう)・里(り)
(mm=ミリメートル、cm=センチメートル、m=メートル、km=キロメートル)
◇毛・毫(もう)
一厘(りん)の十分の一を表わす単位の称。
全体を一とした時の万分の一を表わします。
尺貫法で、1厘の10分の1〔=約0.0303ミリメートル〕。
1毛≒0.00303cm〈曲尺〉
1毛≒0.00378cm〈鯨尺〉
◇厘・釐(りん)
一分(ぶ)の十分の一を表わす単位の称。
全体を一とした時の千分の一を表わす。
尺貫法で、1分の10分の1〔=約0.303ミリメートル〕。
1厘≒0.0303cm〈曲尺〉
1厘≒0.0378cm〈鯨尺〉
◇分(ぶ)
ある単位の十分の一の大きさを持つ幾つかの単位の称。
全体を一とした時の百分の一を表わす。
尺貫法で、1寸の10分の1〔=約3.03ミリメートル〕。
1分≒0.303cm〈曲尺〉
1分≒0.378cm〈鯨尺〉
◇寸(すん)
尺の十分の一。
「短いもの」の代名詞。
1寸≒3.03cm〈曲尺〉
1寸≒3.78cm〈鯨尺〉
1寸=1/10尺=100/33cm=3.03cm。
◇尺(しゃく)
尺貫法における長さの単位の基本。
1891年(明治24年)に度量衡法により、10mの33分の1と定められました。
1尺=10/33m≒30.303cm〈曲尺〉
1尺=25/66m≒37.88cm〈鯨尺〉
曲尺1尺≒鯨尺8寸 (約30.303cm)
鯨尺1尺≒曲尺1尺2寸5分(約37.88cm)
1尺=1/10丈=1/6間=10寸=100分=1,000厘=10,000毛。
◇間(けん)
長さの単位。主に土地・建物などに用います。
1間=6尺≒1.818m
60間=1町=360尺≒109.09m
◇丈(じょう)
長さの単位。尺の10倍。約3m。「長いもの」の代名詞。
1891年(明治24年)に度量衡法により、100m=33丈〈曲尺〉と定められました。
(鯨尺は曲尺の1.25倍になります)
1丈=10尺=100/33m≒3.03m〈曲尺〉
1丈=10尺=250/66m≒3.79m〈鯨尺〉
◇町(ちょう)
(「丁」とも書く) 距離の単位。1町は60間。約109m強。
「町」は土地の面積の単位に使われることもあります。
1町=60間=360尺≒109.09m
◇里(り)
地上の距離を計る単位。
1里はおおよそ半時(=1時間)で歩ける距離。
律令制では5尺=1歩、300歩=1里。今日の約533m。今の6町。
中世・近世では条里制の里(面積)と混同して36町=1里が一般化。
1876年(明治9年)以後は36町=1里に定められました。今日の約3,927mです。
1里=36町=12960尺≒3,927m≒3.927km
面積
◆坪(つぼ)・歩(ぶ)
尺貫法における面積の基本単位。
宅地・建物には「坪」、田畑・山林には「歩」を用います。
◆尺貫法の面積の単位
勺(しゃく)・合(ごう)・坪(つぼ)・歩(ぶ)・畝(せ)・反(たん)・町(ちょう)
(m2=平方メートル、a=アール)
◇勺(しゃく)
尺貫法における面積の単位。坪(または歩)の100分の1。合の10分の1。
1勺=1/10合=1/100坪(歩)≒0.033平方メートル≒330.6平方センチメートル
◇合(ごう)
尺貫法における面積の単位。坪(または歩)の10分の1。
1合=1/10坪(歩)≒0.33平方メートル
◇坪(つぼ)
尺貫法における面積の単位。現代でも土地や建物の面積の表示に使われます。
(1) 宅地・建物の面積の単位。1間(けん)四方=6尺四方。
すなわち1辺の長さが1間(6尺、約1.8メートル)の正方形の大きさ。
約3.306平方メートル。
(田畑・山林には同じ大きさの「歩(ぶ)」を用います)
1坪=(10÷33×6)×(10÷33×6)
=400/121平方メートル≒3.306平方メートル
※1尺=10/33メートル
※1間=6尺≒1.818m
畳の縦横がおおよそ6尺×3尺なので、1坪でだいたい2畳分の広さになります。
大人が寝転ぶと、だいたい畳1枚分(6×3尺=約1.8×0.9メートル)におさまります。
1坪が約2畳とすれば、1坪は大人2人が並んで横たわる広さと考えるとなんとなく実感がわきます。
(2) 錦など高価な織物や金属板や印刷・製版などの面積の単位。1寸四方。寸坪。
(3) タイル・皮革の面積の単位。1尺四方。尺坪。
(4) 古代の条里制での1町四方の広さ。
※1町=60間(けん)=360尺≒109.09メートル
◇歩(ぶ)
尺貫法における田畑・山林の面積の単位。1間(ケン)四方=6尺四方。
すなわち1辺の長さが1間(6尺)の正方形の大きさ。約3.306平方メートル。
(宅地・建物には同じ大きさの「坪(つぼ)」を用います)
1歩=1坪=400/121平方メートル≒3.306平方メートル
◇畝(せ)
尺貫法の土地面積の単位。
反の10分の1。1畝は30歩(坪)で、約0.99174アール。
1畝=30歩(ぶ)=1/10反=1/100町≒99.174平方メートル=0.99174アール
◇反(たん)
(1) 尺貫法における、田畑・山林の面積の単位。「段」とも書く。反歩(たんぶ)。
701年大宝令で制定、360歩(坪)を1反としましたた(現行の約354歩)。
1620年ごろ300歩(坪)=1反となります。
1反=10畝(せ)=300歩(ぶ)=300坪≒991.74平方メートル≒9.9アール
(2) 昔の長さの単位。1反=6間=36尺(約10.92メートル)
(3) 布の大きさの単位。「端」とも書きます。
成人一人前の和服が作れる分量です。
一反は、普通、布では並幅(約34センチメートル)で
鯨尺2丈6尺(約9.848メートル)または2丈8尺(約10.6メートル)とされます。
◇町(ちょう)
(1) 尺貫法の面積の単位。田畑や山林の面積を表わすのに用いました。
1町は10反に相当します。
1町=10反=100畝=9,917.4平方メートル≒99.2アール
(2) 尺貫法の距離の単位。1町は60間。約109m強。
1町=60間=360尺≒109.09m
◆条里制(じょうりせい)
日本古代の耕地の区画法。
土地を6町(約654メートル)間隔で縦横に区切り、6町間隔の列を「条」、6町平方の1区画を「里」と呼びました。
1里はさらに1町間隔で縦横に区切って36等分し、その1町平方の1区画を「坪」と呼びました。
○○国○○郡○○条○○里○○坪と呼ぶことで地点の指示を明確にし、かつ耕地の形をととのえました。
容量(容積)
◆升(しょう)
尺貫法における容量の基本単位。
液体、穀物の量を測る方形または円筒形の容器「枡(ます)」にすりきり一杯に入る量を基準とします。
《参考》 升の歴史 (京枡・江戸枡について)
◆尺貫法の体積・容量の単位
勺(しゃく)・合(ごう)・升(しょう)・斗(と)・石(こく)
(l=リットル、ml=ミリリットル)
※1立方デシメートル=1000立方センチメートル=1リットル
◇勺(しゃく)
尺貫法における容量の単位。升(しょう)の100分の1。合の10分の1。
約18ミリリットル。
1勺=1/10合=1/100升
≒18.039ミリリットル
◇合(ごう)
尺貫法における容積の単位。升(しよう)の10分の1。
約180ミリリットル。
1合=1/10升
≒180.39ミリリットル
米1合でおよそ茶碗2杯分のご飯が炊けるます。
料理に使う普通の計量カップが200ミリリットル入ります。
米を計るための180ミリリットル(1合)計量カップも市販されています。
◇升(しょう)
尺貫法における容量の基本単位。斗の10分の1で、合の10倍。
約1.8リットル。
1升=4.9寸×4.9寸×2.7寸=64.827立方寸
=(4.9×1÷33)×(4.9×1÷33)×(2.7×1÷33)
=2401/1331立方デシメートル
≒1.80386リットル
=1/10斗=10合=100勺
(詳細は「升の歴史」にて)
◇斗(と)
尺貫法の容量の単位。升の10倍。
約18リットル。
1斗=10升(しょう)=100合(ごう)
≒18.0386リットル
◇石(こく)
(1) 尺貫法の容量の単位。斗の10倍。升の100倍。
約180リットル。
米の量としては、1人が1年に食べる米の量=1石とされます。
1石=10斗=100升
≒180.39リットル≒0.18039立方メートル
(2) 木材・石材の体積の単位。
1石=10立方尺=0.278265立方メートル。
(3) 和船の積載量の単位。
船舶積量測度規則(1884〜1914)によれば、1石=10立方尺。
重さ
◆貫
尺貫法における質量の基本単位。
◆尺貫法の質量の単位
毛(もう)・厘(りん)・分(ぶ)・匁(もんめ)・斤(きん)・貫(かん)・銖(しゅ)・両(りょう)
(mg=ミリグラム、g=グラム、kg=キログラム)
◇毛・毫(もう)
1厘(りん)の10分の1を表わす単位の称。
全体を1とした時の10000分の1を表わします。
尺貫法で、1厘の10分の1、1貫の10000分の1〔=3.75mg〕。
1毛=1/1000匁=1/10000貫=3.75mg
◇厘・釐(りん)
1分(ぶ)の10分の1を表わす単位の称。
全体を1とした時の1000分の1を表わします。
尺貫法で、1分の10分の1、1貫の1000分の1〔=37.5mg〕。
1厘=1/100匁=1/1000貫=37.5mg
◇分(ぶ)
ある単位の10分の1の大きさを持つ幾つかの単位の称。
全体を1とした時の100分の1を表わします。
尺貫法で、1匁の10分の1、1貫の100分の1〔=0.375g〕。
1分=1/10匁=1/100貫=10厘=0.375g
◇匁(もんめ)
尺貫法の質量の単位。貫の1000分の1。
略して目(め)、古くは銭(せん)といいます。
唐の開元通宝1文の重量から生じ、最初は文目と書きました。
中国では通貨の単位でしたたが、
日本では質量の単位にも使われるようになります。
1匁=10分=1/1000貫=15/4g=3.75g
3.75gがどのくらいの重さかと思ったら、五円玉を手に乗せてみてください。
五円玉の重量が3.75g、つまり1匁です。
◇斤(きん)
(1) 尺貫法における質量の単位。普通、160匁〔=600g〕にあたります。
唐の度量衡にならい640年採用、701年大宝令で確定。
1891年(明治24年)度量衡法でキログラム原器を基準に正確に規定。
1斤=160匁=600g
(2) 食パンの量の単位。
〔明治初期は、1斤=1山=1ポンド(=約454g)を原則としましたが、その後この原則は崩れ、現在では店によって異なります。
1斤は大体250gから400gの間。
山型食パンの場合、1山か2山で1斤という場合が多い〕
▽英斤(えいきん)
質量単位のポンドに同じ。約120匁で、日本の尺貫法の1斤に近い。
◇貫(かん)
尺貫法における質量の基本単位。
もともと一文銭の質量を一文目とし、1000匁=1貫とします。
中国では通貨の単位で、貫を質量の単位とするのは日本独自のことです。
単位は〆。
1891年(明治24年)、度量衡法によりキログラムの4分の15(3.75kg)と規定されます。
1貫=1,000匁=3.75kg=15/4kg=8.267ポンド
◇銖・朱(しゅ)
昔の重量単位。黍(きび)100粒の重さを1銖とし、24銖で1両。
◇両(りょう)
(1) 昔の重量単位。1斤の16分の1。大宝令で1両=24銖(シュ)=1/16斤と規定。
鎌倉後期以後は京目(金1両=4匁5分)と種々雑多な田舎目が用いられました。
(2) 薬種の目方。1両は4匁〔=約15g。4匁4分、5匁のものもあります〕。
尺貫法の解説・歴史
長さに尺、重さに貫、体積に升を基本単位とする、日本在来の計量単位系。
尺や貫を使う度量衡(どりょうこう/計量単位系)は、中国から伝来して大宝律令(701年)で国に制定されましたが、実際の数値は地域、年代、用途によってばらばらでした。
ばらばらだった数値を1875年(明治8年)に明治政府が統一しました。
「尺貫法」の名称はこの時付けられました。
1885年(明治19年)に日本がメートル条約に加入後は、国際的統一単位のメートル法を基準とするようになりました。
1891年(明治24年)制定の「度量衡法」においては、尺や貫をメートルやキログラムを基に規定しました。現代一般に使われる尺貫法の数値はこれが基準になっています。
計量法施行法により1959年(昭和34年)1月1日(国の機関等では1966年4月1日)以降、特別な場合を除いて取引・証明上の計量に尺貫法を用いてはならないとされました。
それでも土地の広さは「坪」、米を炊くときは「合」を使うなど、尺貫法は日常生活に残されています。
◇度量衡法(どりょうこうほう)
長さ・面積・体積・質量・時間その他の単位や計量器などについて定めた法律。
1891年(明治24年)制定。1951年(昭和26年)「計量法」と改められました。
「度量衡」は一般名詞で、「度」は長さ・距離(面積)、「量」は体積・容量、「衡」は質量のこと。
またそれぞれ尺(ものさし)・桝(ます)・秤(はかり)のこと。
1885年(明治19年)に日本がメートル条約に加盟後、1889年にメートル原器を交付されました。その後1891年(明治24年)に尺(長さ)はメートル原器、貫(質量)はキログラム原器を基準にした「度量衡法」が制定されました。
その際、尺とメートル、貫とキログラムは簡単な関係になるように配慮されました。
1尺=10/33m≒30.303cm〈曲尺〉(かねじゃく)……建築で使う「尺」
1尺=25/66m≒37.878cm〈鯨尺〉(くじらじゃく)…和裁で使う「尺」
1貫=15/4kg=3.75kg
◆尺の歴史
「尺」は尺貫法における長さの単位の基本です。
もとは前腕(ぜんわん/ひじから手首まで)を基準に作られた長さを測る単位でした。
古くは大尺(高麗尺)・小尺、曲尺・鯨尺・呉服尺・享保尺・又四郎尺・折衷尺など様々な尺が使われました。
1875 年(明治8年)に「折衷尺」を基に「曲尺」が制定されました。
1891年(明治24年)に度量衡法により、曲尺1尺が33分の10m(約30.3cm)に統一されました。
現在、一般に「尺」というと曲尺(10/33m)を使いますが、
和服に関しては鯨尺(25/66m)を使います。
◆曲尺(かねじゃく)
建築用の寸法。また、大工が使う、直角に曲がった金属製のものさし。
一方の面には、鯨尺の8寸を1尺〔=約30.3cm〕とする目盛りが、もう一方の面には、その√2 倍と 1/π倍の目盛りが付いています。
◆鯨尺(くじらじゃく)
和裁用の寸法。
また、昔、布を計る時に使われたものさし。昔は鯨のひげで作られました。
鯨尺1尺は曲尺の1尺2寸5分〔=約37.88cm〕に等しい。
メートル法では25/66mに等しい。
◇折衷尺(せっちゅうじゃく)
曲尺の一種。
伊能忠敬(1745〜1818)が享保尺と又四郎尺を折衷して作った尺。
1尺=30.304cm。
明治時代初期に曲尺の数値を定めるのにもっとも有力な根拠となりました。
◇享保尺(きょうほうじゃく)
曲尺の一種。
享保年間(1716〜1736)、徳川吉宗が紀州熊野神社の古尺を写して天体観測に用いたと伝えられる尺。
1尺=30.363cm。
◇又四郎尺(またしろうじゃく)
曲尺の一種。
永正年間(1504〜1521)、京都の指物師(さしものし)又四郎が作ったと伝えられ、広く大工に用いられました。
1尺=30.258cm。
◇呉服尺(ごふくじゃく)
江戸時代、布地を計るのに用いた単位。明治になって廃止。ごふくざし。
曲尺の1尺2寸を1尺(約36.4cm)としました。
◆升(枡)の歴史
「升」は尺貫法における容量の基本単位。約1.8リットル。斗の10分の1で、合の10倍。
640年唐制に基づき大升(現在の約0.65升)を定めました。
701年に大宝令で確定します。
律令制の崩壊後、各地で様々な枡が使われ混乱しましたが、
1586年、豊臣秀吉の太閤検地を機に、関西方面で京枡が広く使われ、
1669年(寛文9年)、江戸幕府が全国で使う公定枡を京枡(きょうます)に統一しほぼ現在の量になります。
1875年(明治8年)に公定枡の内径を縦横4寸9分,深さ2寸7分と規定します。
1891年「度量衡法」で寸の長さが1/33mに規定されたのに伴い、正式な数値が決定されました。
1升=4.9寸×4.9寸×2.7寸=64.827立方寸
=(4.9×1÷33)×(4.9×1÷33)×(2.7×1÷33)
=2401/1331立方デシメートル
≒1.80386リットル
=1/10斗=10合=100勺
※1立方デシメートル=1000立方センチメートル=1リットル
▽京枡(きょうます)
戦国時代、京都中心に使用された枡。
豊臣秀吉は全国統一の後、太閤検地の際に、それまで規格が定まっていなかった枡を京枡に統一しました(1586年)。
江戸初期は関西の京升と江戸の江戸升を併用していましたが、
1669年(寛文9年)、全国で使う枡を京升(一升枡は方4寸9分、深さ2寸7分)に統一しました。
1875年(明治8年)、公定枡を縦横4寸9分(約14.8cm)、深さ2寸7分(約8.2cm)と規定しました。
▽江戸枡(えどます)
徳川家康が1590年(天正18年)江戸枡座を開いて製作・販売させた枡。
一升枡は方5寸(約15cm)、深さ2寸5分(約7.6cm)。
関西では京枡、関東では江戸枡を併用していましたが、1669年幕府はその寸法を改め、京枡と同じ大きさとし、全国的に統一しました。
江戸枡1升=5寸×5寸×2.5寸=62.5立方寸
=(5×1÷33)×(5×1÷33)×(2.5×1÷33)
≒1.7391リットル
つまり、江戸枡より京枡のほうが少し量が多くなります。
もともと太閤検地以前から方5寸、深さ2寸5分の枡も使われていました。
それをあえて半端な数値の京枡に統一したのは、同じ一升でも京枡のほうがたくさん年貢を取れるからだそうです。
縦横を0.1寸ずつ小さくして深さを0.2寸増やして全体の量はそれほど変わらないように見せかけて、実はかなり量が増えるまやかしです。
尺貫法以外の計量単位・度量衡法
◆メートル法
計量単位を国際的に統一するために、一八世紀末フランスで提唱された十進法の単位系。この中に CGS 単位系、MKS 単位系、重力単位系などがありますが、1960年の国際度量衡総会で、国際単位系(SI)の採用が決議されました。
◇メートル(meter)
長さの単位。国際単位系(SI)の基本単位。記号m、米。
1790年フランスでメートル法制定にあたり地球子午線の赤道から北極までの10,000,000分の1を1メートルと決めます。
1892〜1898年、子午線の測定が行なわれ、その結果に基づき1899年白金製の標準器「メートル・デ・ザルシーブ」が作られました。
1875年のメートル条約でこれをもとにして作った国際メートル原器の二標線間の長さにより1メートルを規定。
1960年、クリプトン86原子から出る光の波長を基準とします。
1983年からは、国際度量衡総会で「メートルは,1秒の299792458分の1の間に光が真空中を伝わる行程の長さである」という定義が採択されました。
◇メートル条約
1875年、メートル法度量衡の制定普及を目的として締結された国際条約。
この条約に基づいて国際度量衡委員会およびその指揮下に国際度量衡局が置かれる。
日本は1886年(明治19)加盟、1889年原器を交付された。
日本での完全な実施は1966年。
◇メートル原器(げんき)
メートル条約により1メートルの長さを示すものとして制定された標準尺。
白金90%、イリジウム10%の合金で、曲げを防ぐため断面はX字型。
両端近くの3本の目盛線のうち中央線の間の距離が0℃で1メートルになります。
国際度量衡局に保存されるものを原器とし、それと同じ材料・構造のものが番号をつけられて各条約加盟国に分けられています。日本に交付されたNo.22の原器は独立行政法人・産業技術総合研究所(旧:通産省・工業技術院・計量研究所)に保管されています。
現在はメートルの定義が光の波長に定義されたため、参照用の意味しか持ちません。
◇キログラム(kilogram)
質量の単位。国際単位系(SI)の基本単位。記号kg、瓩。
キログラム原器によって定義されます。
初めは4℃の純水1立方デシメートルの質量と決めましたが、これは現行の1キログラムよりわずか小さいです。
◇キログラム原器(げんき)
質量単位のキログラムを定義、表示する分銅。
メートル条約により、パリ郊外セーブルの国際度量衡局に保管されている国際キログラム原器の質量が1キログラムと定義されます。
日本に交付された原器No.6の質量は1キログラムより0.170ミリグラム大きく、独立行政法人・産業技術総合研究所(旧: 通産省・工業技術院・計量研究所)に保管。
いずれも白金90%,イリジウム10%の合金で作られた高さ・直径とも約39ミリの直円筒形で,2重のガラス容器に収容。
◇アール
メートル法で面積を表すとき、平方メートルのほかに
「アール(a)」「ヘクトアール(ha)」を使います。
1アールは一辺が10メートルの正方形の面積に等しい。
1アール=100平方メートルで、約30.25坪に当たります。
ヘクタールはアールの100倍に相当します。
1ヘクタール=100アール。
◆海里・浬(かいり)
海面上の長さ、または航海上の距離の単位。新聞などでは「カイリ」と書く。
記号Mまたはnm(nautical mile)。地球の緯度一分(イツプン)の長さに由来。
1海里=1852メートル=1.852キロメートル(メートル法/フランス・日本)
1海里=6,080フィート=1,853.1824メートル(英国)
1海里=6,080.20フィート=1,853.1887メートル(米国)
◆尺貫法を使った慣用句・語句(別ページへ)
《参考文献》 『ニッポンのサイズ〜身体ではかる尺貫法』石川英輔〈淡交社〉 江戸時代の尺貫法と時刻についてのコラム。 図版が多く、尺貫法にまつわる日本の道具の話も面白いです。 著者は江戸時代の考証と、江戸時代を舞台にしたSF小説で有名な作家です。
《お役立ちグッズ》 ◆鯨尺メジャー (浅野屋呉服店/楽天市場) 和裁用の巻尺(メジャー)です。手持ちの和服の丈を計るのに便利です。 表面が鯨尺表記で5尺、裏面がメートル表記で2mまで計測可能。 ◆鯨尺メジャー 4尺(1.5m) (京都きもの市場和装小物館/楽天市場) 表面が鯨尺表記で4尺、裏面がメートル表記で1.5mまで計測可能。 ◆竹製ものさし くじら2尺(約76cm) (道具市場シンワ/楽天市場) ◆竹製ものさし かね3尺(約90cm) (道具市場シンワ/楽天市場) ◆物差し竹 鯨1尺(cm目盛付)(約30cm) (手芸の山久/楽天市場) |
[2004/10/16]
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