文房具・画材《顔彩》
顔彩(がんさい)
日本の水墨画に使われる固形水彩絵具。
「顔料彩色」の略。または「岩絵具」→「岩彩」からの造語。
本式の日本画の着色には「岩絵具(いわえのぐ/岩絵の具)」がよく使われる。
天然の鉱物・貴石を砕いて粉にした絵の具で、膠(にかわ)を定着剤として混ぜて画面に固定する。
原材料が高価・希少な上、有毒な劇物も含まれるため、近年は金属の化合物を原料に人工的に合成した「新岩絵具」が普及している。
「顔彩」は顔料と固着剤(グリセリン)を練り合わせて半固形(生乾き状態)にした水彩絵具。四角や丸の皿に入れられ、水で濡れた筆でなでるだけで簡単に彩色できる。
要するに西洋の水彩画用「パンカラー(固形絵具)」と同じもの。色調(トーン)が日本画向けのくすんだ色合いで、日本の風物を描くのに適している。
「顔彩」の歴史は100年程度と比較的新しい画材である。世間に普及したのは21世紀になってからだが、昭和55年(1980年)刊行の『水墨画入門』直原玉青〈保育社カラーブックス486〉に顔彩が出てくるので、少なくとも四半世紀(25年)以上前から市販されている。
近年の「絵手紙」ブームで、手軽に使える水彩画用絵具として人気がある。
顔彩を扱う主な画材メーカー
呉竹(クレタケ)
▽フィス(PHYS)(廉価版顔彩/パレット入)
▽顔彩深美(高級顔彩/丸皿入/ばら売りあり)
▽顔彩耽美(高級顔彩/画皿入)
▽フィス ウォーターカラーボックス(携帯用顔彩セット)(廃番品)
吉祥(きっしょう)
▽顔彩セット(箱入り顔彩)
▽絵手紙セット(顔彩と道具のセット)
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