▼夏貸文庫/表紙 >  案内 >  まめ辞典

■日本語の人称代名詞>二人称

▲「人称代名詞」に戻る

二人称(対称)

話し相手(聞き手)を指す代名詞。第二人称。対称。

あなた
(貴方・貴男・貴女)
(1) (「彼方(あなた)」の転) 第三者を敬って指す語。あのかた。
(2) 近世以後、目上や同輩である相手を軽く敬って指す語。(現今は敬意の度合が減じている)
(3) 夫婦間で妻が夫を呼ぶ語。
あんた
 
(アナタの転)
現在は同輩か目下の者に使い、ぞんざいな感じを伴う口語の二人称。 近世後期、初め遊里で目上の人に対して用いた。

(我・吾)
お前。親愛または軽侮の意をこめて呼ぶ二人称。

(己・汝)
一人称から転じた二人称。おまえ。なんじ。なれ。いまし。
なれ
(汝)
古い日本語の二人称。同等以下の相手を指す。なんじ。おまえ。
なんじ
(汝・爾)
(ナムチの転)
同等以下の相手を指す語。お前。そち。
※「なむち(汝)」……(ナ(吾)にムチ(貴)の付いた二人称の古語。)
いまし
(汝)
古い日本語の二人称。親しみの気持ちで相手をさす。あなた。なんじ。
きみ
(君)
男の話し手が同輩以下の相手を親しんで指すのに使う呼称。あなた。おまえ。
「僕」に対応する語。
きさま
(貴様)
男性が同輩または目下の者に使う対称。また相手をののしって言う語。おまえ。うぬ。
近世中期までは目上の相手に対する敬称。
おまえ
(お前・御前)
もとは同等または目上に対する呼称。
今は主に男性が、同等あるいは目下を指すぞんざいな言い方の二人称。
きこう
(貴公)
武士や軍人が用いた堅い言い回しの二人称。
本来は武士ことばで、目上に対して用いた敬語。のち、同輩またはそれ以下の相手に対して用いるようになり、武士以外でも使うようになった。
そこもと。おてまえ。きさま。おまえ。きみ。
けい
(兄)
男性が、同性の先輩または同輩に対して尊敬の意をこめて呼びかける呼称。改まった席での挨拶で使う語。
うぬ
(汝・己)
相手を卑しめていう呼称。おのれ。なんじ。きさま。
自分自身を指すこともある。
われ
(我・吾)
相手を呼ぶ代名詞。後世はいやしめていう場合が多い。
本来は一人称。中世以後は二人称としても使う。
じぶん
(自分)
(主に関西で)相手を呼ぶ語。もとは自分のことを指す一人称。
おのれ
(己)
目下の者に、または人をののしる時に使う二人称。きさま。こいつ。
そこもと
(其処許)
同輩か目下に対して用いる二人称。そなた。そのもと。
そなた
(其方)
目下の相手を、やや丁寧に指す語。
そのほう
(其の方)
目下の相手を指す語。なんじ。おまえ。
そち
(其方)
(「ち」は方角の意)
目下の相手を指す語。そなた。なんじ。おまえ。
こやつ
(此奴)
相手を卑しめていう語。このやつ。こいつ。
こいつ
(此奴)
(コヤツの転)
人を軽侮して、または無遠慮に呼ぶ語。また、「これ」のぞんざいな言い方。
みなさま
(皆様)
二人称複数形。
多数の人を指していう尊敬語。
みなさん
(皆さん)
二人称複数形。
多数の人を指していう尊敬語。「みなさま」のややくだけた言い方。
おのおの
(各各・各々)
二人称複数形。
多数の人を指していう語。みなさん。おのおのがた。
おのおのがた
(各各方・各々方)
二人称複数形。
多数の人を指していう尊敬語。江戸時代の武士ことば。

参考文献:『広辞苑 第五版』『新明解国語辞典 第五版』『類語選びの辞典』ほか。

▲このページのTOPに戻る
▲「人称代名詞」に戻る
▲まめ辞典に戻る



[2010/02/03]
無断転載禁止/リンクはフリーです
Copyright(C) 2001-2010 詞己 All rights reserved.