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世界の民話・昔話3−2

アイヌの昔話

『アイヌ童話集』金田一京助・荒木田家寿【講談社文庫】
『アイヌ神謡集』知里幸惠【岩波文庫】

『アイヌ童話集』【講談社文庫】

著者:金田一京助・荒木田家寿
発行元:講談社(講談社文庫)
発行日:1981年7月初版
サイズ:文庫サイズ・238ページ/16話収録
ISBN 4061381326

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よもやま昔話
口のきけない子と熊の話
流れてきた子どもの話
鬼が島せいばつの話
雲の船と男の子の話
チャランケの話
砂でつくった鯨の話
おばけ鳥の話
センタカイヌの話
鬼鹿毛どのの話

パナンペ・ペナンパ昔話
鬼のわなの話
金と銀の小犬の話
腹のなかの小鳥の話

オキクルミの昔話
日の女神を救いだす話
ききん魔を退治する話
神々がざんげ話をする話
生い立ちと晩年の話

金田一京助(きんだいち・きょうすけ/1882-1971)……アイヌ研究で有名な文学博士。
荒木田家寿(あらきだ・いえひさ/1902-1981)……金田一の末弟。

金田一がアイヌ語の原文から忠実に和訳した本文(『アイヌの研究』『ユーカラ概説』『アイヌの聖典』『アイヌの神典』その他)から、荒木田が子ども向けに物語風に書き直した童話集。多くの叙事詩(ユーカラ)、聖伝(オイナ)、昔話(ウェペケル)から16話を選出。

人祖アイヌラックル(またの名をオキクルミ)の聖伝(オイナ)、パナンペ(川上の者)・ペナンパ(川下の者)の話(正直じいさんと意地悪じいさん)などなど。
(2006/09/24)

『アイヌ神謡集』【岩波文庫】

編訳:知里幸惠(知里幸恵)
発行元:岩波書店(岩波文庫 赤80-1)
発行日:1978年8月初版
サイズ:文庫サイズ・186ページ/横書き/13篇収録
ISBN 4003208013

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梟の神の自ら歌った謡「銀の滴降る降るまわりに」
狐が自ら歌った謡「トワトワト」
狐が自ら歌った謡「ハイクンテレケ ハイコシテムトリ」
兎が自ら歌った謡「サンパヤ テレケ」
谷地の魔神が自ら歌った謡「ハリツ クンナ」
小狼の神が自ら歌った謡「ホテナオ」
梟の神が自ら歌った謡「コンクワ」
海の神が自ら歌った謡「アトイカ トマトマキ クントアテシ フム フム!」
蛙が自らを歌った謡「トーロロ ハンロク ハンロク!」
小オキキリムイが自ら歌った謡「クツニサ クトンクトン」
小オキキリムイが自ら歌った謡「この砂赤い赤い」
獺(かわうそ)が自ら歌った謡「カッパ レウレウ カッパ」
沼貝が自ら歌った謡「トヌペカ ランラン」

知里幸惠(ちり・ゆきえ/1903-1922)

北海道登別出身のアイヌの少女。父方の祖母も母方の祖母もアイヌの口承文芸の伝承者ユーカラクル(ユーカラを謡う人)で、幸惠自身アイヌ語にも日本語にも堪能だった。
アイヌ文化の調査中の金田一京助の知遇を得、東京の学校に進学したが、生来の心臓病で体を壊し、19歳の若さでこの世を去る。

本書では、アイヌ民族の間で口承されてきた神謡(ユーカラ)13篇を選び、ローマ字でアイヌ語の音を記述し、日本語訳を付した。
アイヌの誇るべき口承文化を、「銀の滴(しずく)降る降るまわりに」など美しい日本語に訳す詩の才能に瞠目する。

金田一京助による著者紹介、知里真志保(幸惠の実弟/言語学者)による神謡についての解説付き。

(2006/09/24)

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[2006/09/24]
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