○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ ● ● ○ ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜 ○ ● 創刊準備号 2003/08/00発行 ● ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ ——————————————————————————————————— 【右前・左前】(みぎまえ・ひだりまえ) ——————————————————————————————————— ◆右前(みぎまえ) 通常の和服の合わせ方。 左身頃を上にして、襟のあきが右にくるように着ること。 ◆左前(ひだりまえ) (普通とは反対に)着物の襟のあきを左にもってくる着方。 左衽(さじん)とも言う。(衽=おくみ) 死んだ人に着せる死装束は左前に着付ける。 転じて、経済的に苦しくなること。運が悪くなることの例えにされる。 「左前になる」 ◇洋服では、男物が右前、女物が左前。 −+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+− ○右前 右 /\‾‾‾/\ 左 ‾‾\ \‾/ /‾‾ \ / / | / / | | / /| | ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾ ×左前 右 /\‾‾‾/\ 左 ‾‾\ \‾/ /‾‾ \ \ / | \ \ | | |\ \ | ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾ −+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+− 日本も中国も、古代には左前に着るのが一般的でした。 古墳時代の埴輪の服装も左前になっています。 ところが中国で右前が一般化し、 左前は「夷狄(いてき/野蛮人)の風俗」と避けられるようになりました。 そこで日本でも中国にならって、 全ての国民に右襟(右前)の服を着る命令を出しました。 勅撰歴史書『続日本紀』(しょくにほんぎ)養老三年(719)二月の項に、 「二月壬戌、初めて天下の百姓をして、襟を右にして…(初令天下百姓右襟)」 と記されています。 ただし、実際に右前が全国に普及するのは平安時代に入ってからです。 〈参考文献『続日本紀 二』新日本古典文学大系13(岩波書店)〉 ●ごあいさつ●………………………………………………………………………… こんにちは。 『和服の基礎知識』創刊準備号をお読みいただき、ありがとうございます。 私自身は和服を着る機会はありませんし、詳しいとは言い難いです。 それでも和服に慣れていない人が書く絵や文章で 「それは絶対おかしいでしょう」という描写を見かけると、 解説したくなります。 このメールマガジンでは、和服の常識をアスキーアートで図解しながら やさしく興味がもてるように説明していこうと思っています。 正式な創刊号は9月4日(木)発行予定です。 ●参考文献●…………………………………………………………………………… 『日本史モノ事典』平凡社 ISBN4-582-12420-8 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582124208/dearbooks-22 ……などなど ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ 発行者 :詞己 お問い合わせ:shiki_n@mbj.nifty.com ホームページ:http://homepage2.nifty.com/n-bunko/ ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ 『和服の基礎知識〜日本文化を愉しむために〜』 週1回刊行 このメールマガジンは、 『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。 登録・解除は http://www.mag2.com/m/0000116269.htm からできます。 ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○