メールマガジン「和服の基礎知識」バックナンバー〈024〉
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
●                                 ●
○  ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜  ○
●                   第24号 2004/02/19発行   ●
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

———————————————————————————————————
【尺貫法(1)】(しゃっかんほう)
———————————————————————————————————

◆尺貫法(しゃっかんほう)

長さに尺、重さに貫、体積に升を基本単位とする、日本在来の計量単位系。
中国から伝来して大宝律令(701年)で制定されましたが、地域、年代、用途
によってばらばらだった数値を1875 年(明治8年)に統一しました。
「尺貫法」の名称はこの時付けられました。

1885年(明治19年)に日本がメートル条約に加入後は、国際的統一単位の
メートル法を基準とするようになりました。
1891年(明治24年)制定の「度量衡法」においては、尺や貫をメートルやキロ
グラムを基に規定しました。現代一般に使われる尺貫法の数値はこれが基準に
なっています。

計量法施行法により1959年(昭和34年)1月1日(国の機関等では1966年4月1日)
以降、特別な場合を除いて取引・証明上の計量に尺貫法を用いてはならないと
されました。

それでも土地の広さは「坪」、米を炊くときは「合」を使うなど、
尺貫法は日常生活に残されています。

----------------------------------------------------------------------
◇度量衡法(どりょうこうほう)

長さ・面積・体積・質量・時間その他の単位や計量器などについて定めた法律。
1891年(明治24年)制定。1951年(昭和26年)「計量法」と改められました。

度量衡法の「度」は長さ・距離(面積)、「量」は体積・容量、「衡」は質量
のこと。またそれぞれ尺(ものさし)・桝(ます)・秤(はかり)のこと。

1885年(明治19年)に日本がメートル条約に加盟後、1889年にメートル原器を
交付されました。その後1891年(明治24年)に尺(長さ)はメートル原器、
貫(質量)はキログラム原器を基準にした「度量衡法」が制定されました。
その際、尺とメートル、貫とキログラムは簡単な関係になるように
配慮されました。

1尺=10/33m≒30.303cm〈曲尺〉(かねじゃく)……建築で使う「尺」
1尺=25/66m≒37.878cm〈鯨尺〉(くじらじゃく)…和裁で使う「尺」

1貫=15/4kg=3.75kg

−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−

◆尺貫法の単位

◇長さの単位(ミリメートル、センチメートル、メートル)
 毛(もう)・厘(りん)・分(ぶ)・寸(すん)・尺(しゃく)・丈(じょう)

◇距離の単位(メートル、キロメートル)
 尺(しゃく)・間(けん)・町(ちょう)・里(り)

◇面積の単位(平方メートル)
 町(ちょう)・反(たん)・畝(せ)・坪(つぼ)・歩(ぶ)

◇容積の単位(ミリリットル、リットル、キロリットル)
 勺(しゃく)・合(ごう)・升(しょう)・斗(と)・石(ごく)

◇質量の単位(ミリグラム、グラム、キログラム、トン)
 毛(もう)・厘(りん)・分(ぶ)・匁(もんめ)・斤(きん)・貫(かん)

−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−

◆メートル法

計量単位を国際的に統一するために、一八世紀末フランスで提唱された十進法
の単位系。この中に CGS 単位系、MKS 単位系、重力単位系などがありますが、
1960年の国際度量衡総会で、国際単位系(SI)の採用が決議されました。

◇メートル(meter)

長さの単位。国際単位系(SI)の基本単位。記号m、米。

1790年フランスでメートル法制定にあたり地球子午線の赤道から北極までの
10,000,000分の1を1メートルと決めます。
1892〜1898年、子午線の測定が行なわれ、その結果に基づき1899年白金製の
標準器「メートル・デ・ザルシーブ」が作られました。
1875年のメートル条約でこれをもとにして作った国際メートル原器の二標線間
の長さにより1メートルを規定。
1960年、クリプトン86原子から出る光の波長を基準とします。
1983年からは、国際度量衡総会で「メートルは,1秒の299792458分の1の間に
光が真空中を伝わる行程の長さである」という定義が採択されました。

◇メートル条約

1875年、メートル法度量衡の制定普及を目的として締結された国際条約。
この条約に基づいて国際度量衡委員会およびその指揮下に国際度量衡局が
置かれる。
日本は1886年(明治19)加盟、1889年原器を交付された。
日本での完全な実施は1966年。

◇メートル原器(げんき)

メートル条約により1メートルの長さを示すものとして制定された標準尺。
白金90%、イリジウム10%の合金で、曲げを防ぐため断面はX字型。
両端近くの3本の目盛線のうち中央線の間の距離が0℃で1メートルになります。
国際度量衡局に保存されるものを原器とし、それと同じ材料・構造のものが
番号をつけられて各条約加盟国に分けられています。日本に交付された
No.22の原器は独立行政法人・産業技術総合研究所(旧:通産省・工業技術院・
計量研究所)に保管されています。
現在はメートルの定義が光の波長に定義されたため、参照用の意味しか
持ちません。

◇キログラム(kilogram)

質量の単位。国際単位系(SI)の基本単位。記号kg、瓩。

キログラム原器によって定義されます。
初めは4℃の純水1立方デシメートルの質量と決めましたが、
これは現行の1キログラムよりわずか小さいです。

◇キログラム原器(げんき)

質量単位のキログラムを定義、表示する分銅。
メートル条約により、パリ郊外セーブルの国際度量衡局に保管されている
国際キログラム原器の質量が1キログラムと定義されます。
日本に交付された原器No.6の質量は1キログラムより0.170ミリグラム大きく、
独立行政法人・産業技術総合研究所(旧: 通産省・工業技術院・計量研究所)
に保管。
いずれも白金90%,イリジウム10%の合金で作られた高さ・直径とも約39ミリ
の直円筒形で,2重のガラス容器に収容。

●ごあいさつ●…………………………………………………………………………

 こんにちは。マガジンのご登録ありがとうございます。

                      ×  ×  ×  ×  ×

 これから数回に分けて、尺貫法における長さ・距離、面積、重量、容積の
 単位について解説します。

 直接和服に関係するのは「尺」の部分ですが、他の単位も知っておくと
 いろいろ便利ですので、ついでに調べてみました。

 調べてはじめて知りましたが、尺からメートルに換算するのは案外きれいな
 数式でおさまるように決められていたんですね。いろいろ辞書で調べても
 30.303cmとかよくわからない数字を出されてうろたえていましたが、
 10/33mなら簡単に覚えられます。

                      ×  ×  ×  ×  ×

 ところで皆さん、身長を「五尺六寸」と答えられたらすぐにセンチメートル
 に換算できますか。
 お時間がありましたらアンケートにご協力下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
問:尺貫法の「尺」をセンチメートルに換算するとき、どんな方法を
  とりますか。(計算式は1尺=10メートル÷33)

◆頭の中で暗算
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262a21 >
◆紙に書いて筆算
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262a92 >
◆算盤を弾く
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262a03 >
◆電卓を叩く
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262a74 >
◆パソコンの中の電卓ソフトを使う
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262ae5 >
◆単位変換ソフトを使う
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262a56 >
◆その他の計算ソフトを使う
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262ac7 >
◆携帯電話の電卓機能を使う
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262a38 >
◆計算尺を使う
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262aa9 >
◆換算表を調べる
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?r00019262a21 >
◆人に聞く
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?r00019262a92 >
◆その他
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?r00019262a03 >
■途中経過・最終結果を見る
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00019262ab0 >
■コメントボード
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/cb.cgi?q0001926235 >

☆締切:2004年02月26日18時00分
★協力:メールマガジンをおもしろくする《クリックアンケート》
         →→  [ http://clickanketo.com/ ]

●参考文献●……………………………………………………………………………

『大江戸ものしり図鑑』花咲一男:監修〈主婦と生活社〉
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/439112386X/dearbooks-22
……などなど


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

〈和服の基礎知識バックナンバー〉目次に戻る
〈メールマガジン〉に戻る




[2006/01/03]
無断転載禁止/リンクはフリーです
Copyright(C) 2001-2006 詞己 All rights reserved.