メールマガジン「和服の基礎知識」バックナンバー〈029〉 |
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○ ●○● 和服の基礎知識 ●○● 〜日本文化を愉しむために〜 ○
● 第29号 2004/03/25発行 ●
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【尺貫法(6)】(しゃっかんほう)
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◆貫
尺貫法における質量の基本単位。
(mg=ミリグラム、g=グラム、kg=キログラム)
◆尺貫法の質量の単位
毛・厘・分・匁・斤・貫・銖・両
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◇毛・毫(もう)
1厘(りん)の10分の1を表わす単位の称。
全体を1とした時の10000分の1を表わします。
尺貫法で、1厘の10分の1、1貫の10000分の1〔=3.75mg〕。
1毛=1/1000匁=1/10000貫=3.75mg
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◇厘・釐(りん)
1分(ぶ)の10分の1を表わす単位の称。
全体を1とした時の1000分の1を表わします。
尺貫法で、1分の10分の1、1貫の1000分の1〔=37.5mg〕。
1厘=1/100匁=1/1000貫=37.5mg
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◇分(ぶ)
ある単位の10分の1の大きさを持つ幾つかの単位の称。
全体を1とした時の100分の1を表わします。
尺貫法で、1匁の10分の1、1貫の100分の1〔=0.375g〕。
1分=1/10匁=1/100貫=10厘=0.375g
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◇匁(もんめ)
尺貫法の質量の単位。貫の1000分の1。
略して目(め)、古くは銭(せん)といいます。
唐の開元通宝1文の重量から生じ、最初は文目と書きました。
中国では通貨の単位でしたたが、
日本では質量の単位にも使われるようになります。
1匁=10分=1/1000貫=15/4g=3.75g
3.75gがどのくらいの重さかと思ったら、五円玉を手に乗せてみてください。
五円玉の重量が3.75g、つまり1匁です。
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◇斤(きん)
(1) 尺貫法における質量の単位。普通、160匁〔=600g〕にあたります。
唐の度量衡にならい640年採用、701年大宝令で確定。
1891年(明治24年)度量衡法でキログラム原器を基準に正確に規定。
1斤=160匁=600g
(2) 食パンの量の単位。
〔明治初期は、1斤=1山=1ポンド(=約454g)を原則としましたが、
その後この原則は崩れ、現在では店によって異なります。
1斤は大体250gから400gの間。
山型食パンの場合、1山か2山で1斤という場合が多い〕
▽英斤(えいきん)
質量単位のポンドに同じ。約120匁で、日本の尺貫法の1斤に近い。
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◇貫(かん)
尺貫法における質量の基本単位。
もともと一文銭の質量を一文目とし、1000匁=1貫とします。
中国では通貨の単位で、貫を質量の単位とするのは日本独自のことです。
単位は〆。
1891年(明治24年)、度量衡法によりキログラムの4分の15(3.75kg)と
規定されます。
1貫=1,000匁=3.75kg=15/4kg=8.267ポンド
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◇銖・朱(しゅ)
昔の重量単位。黍(きび)100粒の重さを1銖とし、24銖で1両。
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◇両(りょう)
(1) 昔の重量単位。1斤の16分の1。大宝令で1両=24銖(シュ)=1/16斤と規定。
鎌倉後期以後は京目(金1両=4匁5分)と種々雑多な田舎目が用いられました。
(2) 薬種の目方。1両は4匁〔=約15g。4匁4分、5匁のものもあります〕。
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◆尺貫法を使った慣用句・単語
◇一貫日(いっかんにち)
(一貫は千匁であるところから) 千日。一説に、百日。
◇百目蝋燭(ひゃくめろうそく)
〔「百目」は「百匁」の意〕
一本の重さが375gもある大きな和蝋燭。
◇百貫(ひゃっかん)
(1) 一貫の百倍。375kg。
(2) 目方・金銭の多いこと。また、価値あるものにたとえていう語。
(3) (副詞的に) はるかに。ずっと。
◇口目(くちめ)
200匁を1斤とする計り方。1斤は一般に160匁。「大目(おおめ)」ともいう。
◇釐等具(れいてんぐ)
釐(り)・毫(もう)のようなきわめて少量のものをはかるための秤(はかり)。
明治初年頃まで金銀などの貴重品の重さを精密にはかるのに用いた。
桿は黒檀・紫檀・象牙などで作った。れてぐ。りんだめ。
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五円玉の重さは3.75g。つまり1匁と同じ重さ。
では他の貨幣の重さはどうでしょうか。
◇一円玉 直径 20mm
重さ 1g
◇五円玉 直径 22mm (穴の直径5mm)
重さ 3.75g
◇十円玉 直径 23.5mm
重さ 4.5g
◇五十円玉 直径 21mm (穴の直径4mm)
重さ 4g
◇百円玉 直径 22.6mm
重さ 4.8g
◇五百円玉 直径 26.5mm
重さ 7g
〈参考サイト〉
独立行政法人 造幣局「現在造幣している貨幣」
http://www.mint.go.jp/menu/
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「もんめ」で思い出す歌があります。
♪いちもんめの いぃすけさん いの字が嫌いで
一万一千一百億 一斗(いっと) 一斗 一斗ます
お蔵に おさめて 二もんめに わたした
♪二もんめの にぃすけさん にの字が嫌いで
二万二千二百億 二斗 二斗 二斗ます
お蔵に おさめて 三もんめに わたした
※これが九もんめまで行ったら、またいちもんめに戻ってきます。
中学校のとき合唱コンクールあたりで一回か二回聞いただけですが、
不思議と頭にこびりついて覚えてしまいました。
タイトルは「いちもんめのいちすけさん」(いちもんめのいすけさん)。
日本のわらべ歌で、合唱曲に編曲されてコンサートやコンクールで
ときどき歌われるようです。
軽快な曲調とナンセンスな歌詞がはまります。
聞いただけなので、歌詞は少々間違っているかも。
というか、ネットで調べても地方によって歌詞が異なるようです。
●参考文献●……………………………………………………………………………
『大江戸ものしり図鑑』花咲一男:監修〈主婦と生活社〉
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/439112386X/dearbooks-22
……などなど
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