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■ 人名用漢字

常用漢字以外に人名に用いて差しつかえないと認められた漢字。

現在の戸籍法で人の名前に使える文字は
常用漢字の1945字、ひらがな、カタカナ、そして
人名用漢字(常用漢字表に含まれない表外字)983字です(2004年11月現在)。
(別表第二 漢字の表のうち、一は774字、二は209字)


人名に関する法律
「戸籍法施行規則」第六十条

戸籍法第五十条第二項の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。

一 常用漢字表(昭和五十六年内閣告示第一号)に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。)
二 別表第二に掲げる漢字
三 片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)

この「別表第二に掲げる漢字」が「人名用漢字」です。

「別表第二」のうち、(一)は常用漢字に含まれない完全な「人名用漢字」、(二)は常用漢字の別体(旧字体)に分けてあります。

人名用漢字別表

2004年11月現在 983字〔(一) 774字/(二) 209字〕
部首の画数順に配置

別表第二 漢字の表(第六十条関係)(一)……(774字)
丑 丞 串 乃 之 乎 也 云 亘—亙 些 亦  亥 亨 亮 仔 伊 伎 伍 伽 佃 佑 伶 侃
侑 俄  俣 俐 侶 倭 俺 倶 倦 倖 偲   傭  允 兎 兜 其 冥 冴 冶 凄 凌
凜—凛 凧 凪 凰 凱 函 刹 劉 劫 勁 勃  勾 匂 勿 匡 廿 卜 卯  厨  叉 叡
叢 叶 只 吾 呑 吻 呂 哉 哨 啄 唄 哩  喬 喧 喰 喋 嘩 嘉 嘗 噌 噂 圃 圭 坐
尭—堯 坦 埼 埴 堆 堰 堺  塙 塞    壬 夷 奄 奈 奎 套 妖 娃 姪 姥 娩
媛 嬉 孟 宏 宋 宛 宕 宥 寅  寵 尖  尤  岡 峨 峻 崖 崚 嵐 嵯 嵩 嶺 巌—
巖 已 巳 巴  巽 巾 帖 幌 幡 庄 庇  庚 庵  廻 弘 弛 弥—彌 彗 彦 彪 彬
徠 忽 怜  恰 恕 悌 惟 惚 悉 惇 惹  惺 惣 慧 憧 憐 戊 或 戚 戟 戴 托 按
拶 拭 挨 拳 捉 挺 挽 掬 惓 捷 捺 捻  捧 掠 揃 掴 摺 撤  撞 播 撫  孜
敦 斑 斐 斡 斧 斯 於 旦 旭 旺 昂 昊  昏 昌 昧 昴 晏 晃—晄 晒 晋 晟  晨
智 暉 暢 曖 曙 曝 曳 曽— 朋 朔 杏  杖 杜 李 杭 杵 枕 杷 枇 柑 柴 柵 柿
柘 柊 栃 柏 柾 柚 桧—檜 栞 桔 桂 桁  栖 桐 栗 梧 梗 梓 梢  梯 桶 梶 椛
梨 梁 椅 棲 椎 椋 椀 楯 楚 楕 椿 楠  楓 椰  楊 榎 樺  榛 槙—槇 槍 
樫 槻 樟  橘  橙 檎 檀 櫂  櫓  欣 欽 歎 此 殆 毅 毘 毬 汀 汝 汐 汎
汲 沙 汰 沌 沓 沫 洸 洲 洵 洛 浩 浬  淵 淳 渚—▽ 淀 淋 渥 湘 湊 湛 湧 
滉 溜 漱 漕  澪 濡 瀕 灘 灸 灼 烏   焚 煌  煤  熙 熊 燕 燎 燦 燭
 爪 爽 爾 牒  牟 牡 牽 犀 狼 猪— ▽ 獅 玖 玩 珂 珈 珊 珀 玲 琢—▽ 琉
瑛 琥 琶 琵 琳 瑚 瑞 瑶 瑳 瑠 璃 瓜  瓢 瓦 甥 甫 畏 畠 畢 畿 疋 疏  皐
皓 眉 眸 睦 瞳   矩 砦 砥 砧 硯  碓 碗 碩 碧 磐 磯  祢—禰 祐—▽ 禄—
祿 禎—▽  禽 禾 秦  稀 稔 稟 稜  稽 穣—穰 穿 窄 窟 窪 窺 竣 竪 竺 竿
 笹 笙 笠 筈 筑 箕 箔 箸 篇 篠   簾 籾 粥 粟 糊 紘 紗 紐 絃 紬 絆 絢
綺 綜 綴 緋 綾 綸 縞 徽 繋 繍 纂 纏  羚 羨 翔 翠 耀 而 耶 耽 聡 肇 肋 肘
肴 胤 胡 脇 脩 腔 腎 膏 膳 臆 臥 臼  舜 舷 舵 艶 芥 芹 芯 芭 芙  苑 茄
苔 苺 茅 茉 茨 茸 茜 莞 荻 莫 莉 菅  菫 菖 萄 菩 萌—萠  菱 葦 葛 葵 萱
葺 萩  葡 蓋 蓑 蒔 蒐 蒼 蒲  蓉  蓮 蔭  蔦  蔓 蕎 蕨 蕉 蕃 蕪 
薙 蕾 蕗 藁  藤 藍 蘇 蘭 虎 虹 蜂  蜜 蝦 蝶 螺  蟹  衿 袖 袈 袴 裡
裾 裟 裳  訊 訣 註 詣 詢 詮 詫 誼  諏 諄 誰 諒 謂  諦  讃  貌 貰
貼 賑 赳 跨 蹄 蹟 蹴 輔 輯 輿 轟 辰  辻 迂 迄 辿 迪 迦 這 逞 逗 逢 遥—遙
遁 遡 遜 遼 邑 那  郁  酉 酎 醇  醐 醒 醍  采 釉 釘 釜 釧 鋒 鋸 錦
錐  錫 鍋 鍵 鍬 鎧 鎌 閃 閏 閤 闇  阜 阪 阿 陀 隈 隙 隼 雀 雁 雛 雫 霞
靖  鞍  鞠 鞭  頁 頃 須 頌 頓  頗 頬 顛 颯 餠 饗 馨 馴 馳 駕 駒 駿
驍 魁 魯 鮎 鯉 鯛 鰯 鱒 鱗 鳩 鳶 鳳  鴨 鴻 鵜 鵬 鶴  鷲 鷺 鷹 鹿 麒 麓
麟 麿 黎 黛 鼎 亀

〔注〕「—」でつなげた19組は、相互の漢字が同一の字種であることを示したものである。
  どちらの字体が正しいと断定するものではない。
  上の表の「▽」は「渚・猪・琢・祐・禎」の旧字体。パソコンでは表示できない。


  上の表の青字9字は「法令データ提供システム」の誤字、茶色字はパソコン表示用のJIS規格では官報の正しい表記(印刷の活字体)と字体が異なるため異体字を使用。
  2005年5月15日現在、「法令データ提供システム」の戸籍法施行規則では人名漢字は誤字の入ったテキストファイルをさげて、官報の表記をそのまま画像ファイルにして表示しています。

  「」は正確には「にんべん+夾」。「侠(おとこぎ)」の旧字体。パソコンでは表示できない。(総務省 「法令データ提供システム」の「徠(【来】の旧字)」はまったく別字)
  「」は「法令データ提供システム」では「萬(万の旧字)」と誤記されていた。
  「」は「法令データ提供システム」では「椰」と誤記されていた。
  「」は「法令データ提供システム」では「暸」と誤記されていた。
  「」は正確には「示氏」。「祇(くにつかみ)」の旧字体。パソコンでは表示できない。(総務省 「法令データ提供システム」の「祗(つつしむ)」は別字だが混用されることもある)
  「」は正確には「示壽」。「祷」の旧字体。パソコンでは表示できない。(総務省 「法令データ提供システム」の「擣」はまったく別字)
  「」は正確には「たけかんむり+單」。「箪(箪笥(たんす))」の旧字体。パソコンでは表示できない。(総務省 「法令データ提供システム」の「篳(篳篥(ひちりき))」はまったく別字)
  「(ただす)」は「法令データ提供システム」では「薫(かおる)」と誤記されていた。
  「」は正確には「虫+【臘】の右」。「蝋(蝋燭(ろうそく))」の旧字体。パソコンでは表示できない。(総務省 「法令データ提供システム」では「鼠(ねずみ)」と誤記されていた)


別表第二 漢字の表(第六十条関係)(二)……(209字)
亞(亜) 惡(悪) 爲(為) ▽(逸) 榮(栄) 衞(衛)  ▽(謁) 圓(円) ▽(縁) 薗(園) 應(応) 櫻(桜) 
奧(奥) ▽(横) ▽(温) 價(価) ▽(禍) ▽(悔)  ▽(海) 壞(壊) 懷(懐) 樂(楽) ▽(渇) 卷(巻) 
陷(陥) ▽(寛) ▽(漢) 氣(気) ▽(祈) ▽(器)  僞(偽) 戲(戯) ▽(虚) 峽(峡) 狹(狭) ▽(響) 
曉(暁) ▽(勤) ▽(謹) 駈(駆) 勳(勲) ▽(薫)  惠(恵) ▽(掲) 鷄(鶏) 藝(芸) ▽(撃) 縣(県) 
儉(倹) 劍(剣) 險(険) 圈(圏) 檢(検) 顯(顕)  驗(験) 嚴(厳) 廣(広) 恆(恒) ▽(黄) 國(国) 
▽(黒) ▽(穀) 碎(砕) 雜(雑) ▽(祉) ▽(視)  兒(児) 濕(湿) 實(実) ▽(社) ▽(者) ▽(煮) 
壽(寿) 收(収) ▽(臭) 從(従) 澁(渋) 獸(獣)  縱(縦) ▽(祝) ▽(暑) ▽(署) ▽(緒) ▽(諸) 
敍(叙) 將(将) ▽(祥) ▽(渉) 燒(焼) 奬(奨)  條(条) ▽(状) 乘(乗) 淨(浄) 剩(剰) 疊(畳) 
孃(嬢) 讓(譲) 釀(醸) ▽(神) 眞(真) 寢(寝)  愼(慎) 盡(尽) 粹(粋) 醉(酔) 穗(穂) ▽(瀬) 
齊(斉) 靜(静) 攝(摂) ▽(節) 專(専) 戰(戦)  纖(繊) 禪(禅) ▽(祖) 壯(壮) 爭(争) 莊(荘) 
搜(捜) ▽(巣) 裝(装) ▽(僧) ▽(層) 騷(騒)  ▽(増) ▽(憎) 臧(蔵) ▽(贈) 臟(臓) ▽(即) 
帶(帯) 滯(滞) 瀧(滝) 單(単) ▽(嘆) 團(団)  彈(弾) 晝(昼) 鑄(鋳) ▽(著) 廳(庁) ▽(徴) 
聽(聴) ▽(懲) 鎭(鎮) 轉(転) 傳(伝) ▽(都)  嶋(島) 燈(灯) 盜(盗) 稻(稲) ▽(徳) ▽(突) 
▽(難) 拜(拝) 盃(杯) 賣(売) ▽(梅) 髮(髪)  拔(抜) ▽(繁) ▽(晩) ▽(卑) 祕(秘) ▽(碑) 
▽(賓) ▽(敏) 冨(富) ▽(侮) ▽(福) 拂(払)  佛(仏) ▽(勉) ▽(歩) 峯(峰) ▽(墨) 飜(翻) 
▽(毎) 萬(万) 默(黙) 埜(野) 藥(薬) 與(与)  搖(揺) 樣(様) 謠(謡) 來(来) ▽(頼) 覽(覧) 
▽(欄) 龍(竜) ▽(虜) 凉(涼) ▽(緑) ▽(涙)  壘(塁) ▽(類) 禮(礼) ▽(暦) ▽(歴) ▽(練) 
▽(錬) ▽(郎) ▽(朗) ▽(廊) ▽(録) 

〔注〕 「別表第二 漢字の表(第六十条関係)(二)」は、常用漢字のうち人の名前に用いることが許容される字体(旧字体など)209字である。
  括弧内の漢字は、「戸籍法施行」規則第六十条第一号に規定する漢字であり、当該括弧外の漢字とのつながりを示すため、参考までに掲げたものである。
  「▽」の83字はJISコード第一水準・第二水準に含まれないため、パソコンで表示できない漢字。ほぼ括弧内の漢字の旧字体。

《参照》
総務省 「法令データ提供システム」
http://law.e-gov.go.jp/fs/cgi-bin/strsearch.cgi
「戸籍法施行規則」別表第二 人名用漢字別表 (第六十条関係)

※以前の「戸籍法施行規則 附則第二項」が削られたため、「附則別表 人名用漢字許容字体表」も削られ、代わりに「別表第二 漢字の表(第六十条関係)(二)」を設けた。
 「二」に掲げた漢字は、常用漢字のうち人の名前に用いることが許容される字体(旧字体など)209字である。


人名用漢字の歴史

1946年「当用漢字」1,850字公布
当用漢字が公布された当初は戸籍に記載できる漢字は当用漢字のみと規定されましたが、人名に用いる漢字は社会慣習や特殊事情のかかわることが考慮されました。

1951年「人名用漢字別表」として制定されたのは92字。
1976年「人名用漢字追加表」により、28字が追加。合計120字。
1981年、当用漢字表が常用漢字表に変更になったのにともない、
    削除や追加で、「人名用漢字別表」が166字にまとめられます。
1990年に118字追加されて、合計284字。
1997年に「琉」1字を追加
2004年2月現在の「人名用漢字別表」は285字です。

2004年2月「曽」1字を追加
2004年6月「獅」1字を追加
2004年7月「瀧」「毘」「駕」3字を追加

2004年9月27日、488字の「新人名用漢字」追加。
同時に、「人名用漢字許容字体表」は廃止され、そこに属していた205字の異体字のうち、人名用漢字の10字体は「人名用漢字」に含まれ、19組の「異体字」と「標準字」を同格として扱うこととなる。常用漢字の異体字(旧字・別体)は別表(二)に掲示される。
(参考文献:「官報」号外第213号 平成16年9月27日)

おまけ

2004年9月までの人名用漢字と新人名漢字
旧い漢字の使い方番外編/新人名漢字……新人名漢字が決定される経緯
「旧い漢字の使い方目次」……メールマガジンのバックナンバーで、一部の旧字・異体字・別体について解説しています。目次で検索して、まぐまぐのバックナンバーを探してください。


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[2005/05/15]
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