■ 和柄・和の模様・和のデザイン〔動物・鳥〕
和柄〔動物・鳥〕目次
■脹雀・福良雀(ふくらすずめ) ■雁金(かりがね) NEW ■後ろ向き三つ兎(うしろむきみつうさぎ) ■尻合せ三つ兎(しりあわせみつうさぎ) ■真向き兎(まむきうさぎ) |
脹雀・福良雀(ふくらすずめ)
「ふくらすずめ(脹雀)」とは、寒さに耐えて全身の羽毛をふくらませた雀。または肥えふくれた雀の子。冬の季語。 「ふくらむ」を「福良む」と当て字して「福良雀(ふくらすずめ)」「福来雀」とも書く。 丸くふくらんだ雀が羽をのばした姿を正面から見て図案化した文様・家紋を「ふくらすずめ(脹雀・福良雀)」と言う。 縁起の良い物として、子どもの衣装や持ち物の文様に使われる。 「ふくら雀」という帯の結び方がある。若い娘の振袖にあわせる、ふくらみのある丸いお太鼓に左右のたれが翼のように広がった形。 江戸末期から始まった若い娘の日本髪の結い方にも「ふくら雀」がある。中央を締め、左右に髪を小さくまとめた髪型。 《構成要素》 鳥、正面向き (No.110:2014/03/09) |
雁金(かりがね)
空を飛ぶ雁(ガン/かり)をかたどった文様。 横向きの鳥の顔と、広げた翼を簡略化した姿。 翼の部分にひねりを入れた「結び雁金」は真田氏が使った家紋のひとつ。 雁(ガン)はがんかも科の大形の水鳥の総称。マガン・ヒシクイなど種類が多い。 渡り鳥で日本では冬鳥。北半球北部で繁殖し、日本に晩秋、北方から渡来し、翌春ふたたび北方に去る。 「雁」は本来は「ガン」と読む。「かり」はガンの鳴き声から出た擬声語。 「かりがね(雁が音/雁金)」はガンの鳴き声。転じて、ガンのこと。 列を組んで空を飛んでいくガンの群れを「雁行(がんこう)」と呼ぶ。転じて斜めに並んで行くこと。「雁金」も斜めから見たガンの姿を写している。 雁は幸せを運ぶ鳥といわれる。 消息を知らせる便り、手紙を「雁書(がんしょ)」「雁の使」「雁の文」などと呼ぶ。 昔の中国で、蘇武(そぶ)が匈奴(北方の異民族)に囚われたとき、雁の脚に書状を結び付けて無事の知らせを都に送ったという故事からきたことばである。 《構成要素》 動物、鳥、横向き (No.125:2016/01/24) |
後ろ向き三つ兎(うしろむきみつうさぎ)
長い耳を立ててうずくまったウサギが3匹並んでいる背中をななめ後ろから見た構図。 「後ろ向き三つ並び兎」とも呼ばれる。 中国の「玉兎伝説(月に棲むウサギ)」や日本神話の「因幡の白兎」など、兎は古くから神聖なものとされたが、日本で文様に使われるようになったのは桃山時代以降。 《構成要素》 動物、後ろ向き、3 (No.111:2014/05/15) |
尻合せ三つ兎(しりあわせみつうさぎ)
ウサギが3匹、お尻をつきあわせて座っている姿を背中から見た見た構図。 植物のカブみたいだけどウサギです。 本体のとがった部分が尻尾。尻尾の反対側に頭と長い耳がついています。 同じ並び方で、ウサギの顔の正面から見た構図は「三つ兎(みつうさぎ)」と言います。 《構成要素》 動物、後ろ向き、3 (No.112:2014/08/07) |
真向き兎(まむきうさぎ)
「真向き」とはまっすぐ向くこと。真正面。 ウサギが1匹、体を丸めながら正面に顔を向けている姿。 真向き兎を見ると、後ろ向きの兎紋も納得できます。 《構成要素》 動物、正面向き、1 (No.113:2015/01/20) |