文房具・画材《アクリル絵具》
アクリル絵具(acrylic color)
アクリル樹脂(合成樹脂)を固着材にした絵具。
工業用ペイントから発達し、第二次大戦後にアメリカの画家たちが愛用し絵画の世界に広まる。
水彩絵具のように水に溶け、乾くと耐水性になり丈夫になる。
速乾性・耐水性・耐光性にすぐれる。
水彩絵具に比べて均一に塗れる。
紙以外に布・木・プラスチック・金属・ガラスなど固体なら何でも塗れる。
トールペイント・工作・ネイルアート・旗・屋外展示物・外壁など絵画以外にも用いられる。
色合いは不透明・透明、表面がマット(つや消し)・グロス(つや有り)などさまざまな種類あり。
不透明タイプは「アクリルガッシュ」と称す。
絵画用は一般にチューブ入り。瓶(ボトル)入りもある。
レギュラータイプはチューブ入り水彩絵具のようにクリーム状で粘り気がある。
ソフトタイプは乳液状(リキッド)で水っぽい。
《アクリル絵具に使う道具》
ナイロン筆・ウェットパレット・ペーパーパレット(紙パレット)・リムーバー・洗浄液・メディウム
アクリル樹脂・アクリルエマルジョン
アクリル樹脂は、石油から作られる合成樹脂の一種。
アクリル酸・メタクリル酸、およびそれらの誘導体を重合して作る合成樹脂(プラスチック/一定の状態のもとで可塑性を示す物質)の総称。
透明度が高く硬いが、すり傷がつきやすい欠点がある。アクリルガラス・アクリル繊維などに使用される。
アクリル絵具には、アクリルの高分子が水に分散した形の「アクリルエマルジョン」が定着剤として使われる。乾燥すると固形になる。
エマルジョン(エマルション/emulsion)とは液体中に別種の液体が分散している状態(乳化)の液体。乳液。乳剤。乳濁液。
アクリル絵具の長所と短所
◆アクリル絵具の長所
紙・布・木・プラスチックなど固体なら何でも塗れる。
重ね塗りすると下の色を隠す。
乾くと表面が非常に丈夫になり、耐光性・耐水性にすぐれ屋外でも展示できる。
◆アクリル絵具の短所
作業中乾きやすい。
汚れが落ちにくい。
道具が使い捨てになる。
アクリル絵具の使い方の例
基本は水で溶かして水彩絵具のように描く。
水を多くして水彩画のようにさらっと描いたり、水分を少なくして油絵のようにこってり描いたり自由度が高い。
水に溶いてエアブラシで吹き付けたりする。
メディウムを混ぜて、質感を変えたり絵具の乾燥速度を変える。
乾きやすいので、湿気を含ませたウェットパレットや使い捨ての紙パレットを使う。
筆は使ったら水洗いし、専用のリムーバーで汚れを落とし、傷んだら処分する。
発色を浴するために下地にジェッソ(下地剤)を塗ることもある。
□画材置場/画材・色彩に関する参考文献>画材・技法
アクリル絵具の主なメーカー・ブランド
(【 】内はメーカー名)
▼日本
【ホルベイン工業】
▽ホルベイン アクリラ(アクリル樹脂エマルション絵具)全78色
▽ホルベイン アクリラガッシュ(不透明アクリル樹脂絵具)全102色
▽ホルベイン アクリルペイント(水溶性アクリル樹脂絵具)全12色・大容量ポリ容器入り
▽ホルベイン アクリル絵具(マットタイプ)全36色・大容量ポリチューブ入り
【ターナー色彩】
▽ターナー アクリルガッシュ(不透明・ソフトタイプ)全195色
▽ターナー アクリルガッシュアーティストカラー(半不透明・セミマットタイプ)全48色
▽ゴールデンアクリリックス(半透明・セミグロスタイプ)全98色
▽ゴールデンアクリリックスフレイド(低粘度・高濃度のリキッドタイプ)全65色
▽ゴールデンオープンアクリリックス(遅乾性・専門家用)全40色
【ニッカー絵具】
▽アクリックス(アクリルエマルジョン樹脂絵具)全12色
▽アクリックガッシュ(チューブ入り)全93色
【クサカベ】
▽アキーラ(水性アルキド樹脂絵具)全72色
【サクラクレパス】
▽アクリルカラー(透明調・つや)全12色
▽アクリルガッシュ(不透明)全12色
▽ニューサクラカラー(大容量瓶入り)全30色
▼アメリカ
【リキテックス】
▽リキテックス レギュラータイプ(クリーム状)全108色
▽リキテックス ソフトタイプ(乳液状)全108色
▽リキテックス スーパーヘビーボディ(硬め)全27色
▽リキテックス ガッシュアクリリック(クリーム状/不透明)全74色
▼オランダ
【ロイヤルターレンス】
▽レンブラント アクリリックカラー(高級アクリル絵具)全75色
▽ヴァンゴッホ アクリリックカラー(普及版アクリル絵具)全40色
▽ヴァンゴッホ アクリリックガッシュ(普及版不透明アクリル絵具)全12色
▼イギリス
【ウィンザー&ニュートン】
▽フィニティアクリル絵具(高級アクリル絵具)全74色
アクリル絵具に関する書籍
画材・色彩に関する参考文献>画材・技法
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