漢字の説明・分類に用いられる基本用語(2)
字体(新字体/旧字/異体字/俗字ほか)
◆字体
それぞれの文字に特徴的な形。字形。一つの字についても、字画の違いによって、新漢字・旧字、正字・俗字などと区別します。
▼新字体
当用漢字表・常用漢字表において、旧来の漢字に代わって新たに正しいと認められた字体。
「新漢字」とも言います。
画数を減らしたり俗字・略字を採用したりして、読み書きしやすくデザインされました。
常用漢字の方針に従ってデザインされた字体の表外字も「新字体」と呼びます。
▼旧字
1946年の当用漢字公布まで、学校教育で正しいと教えられた字体。旧字体。舊字。
「舊」が旧字で、「旧」が新字体(舊の俗字から採用)。
▼本字
正式な書き方とされる字体。
▼正字
(1) 正しく使われた文字。反対語は「誤字」。
(2) 点画を略したり変えたりしない、正統とされている文字。反対語は「俗字」「略字」。
▼異体字
本字から派生したり、成り立ちが類似した字体。
▼俗字
本字を略したり部品を替えたりした、正式でない字体。
▼略字
元の字から略された字体。
▼誤字
字形や使い方を間違えた文字。
▼古字
古代に使われたが近代には廃れた字体。
▼国字
(1) その国の国語を表記するために伝統的に用いられる文字。
また、その国で公式に採用されている文字。日本では漢字と平仮名と片仮名。
(2) 漢字に対して、日本の文字。仮名(かな)。ひらがなとカタカナ。
(3) 中国には存在せず、日本で作られた漢字。漢字に対して「和字・倭字(わじ)」ともいう。
訓のみで音がないのが普通である。
「榊(さかき)」「辻(つじ)」「峠(とうげ)」「畑(はたけ)」の類。
▼康煕字典体》
『康煕字典』に採用された字体。旧字・本字の根拠とされます。
『康煕字典』(こうきじてん)は中国の最も権威があった勅撰字書。清朝の康煕55年(1716)刊行。収載字数40,545字。部首で分類するなど、現代の漢和辞典の基礎とされます。
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