■ 和柄・和の模様・和のデザイン〔雪文様〕
〔多角形〕目次
三角形 | |
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■鱗(うろこ) |
■山路文(やまじもん) |
四角形 | |
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■市松模様(いちまつもよう) ■算木崩し(さんぎくずし) |
■角繋ぎ(かくつなぎ) ■檜垣/網代(ひがき/あじろ) |
四角形>菱形 | |
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■襷(たすき) ■三重襷(みえだすき) ■算盤絞り(そろばんしぼり) |
■松皮菱(まつかわびし) ■小波文(さざなみもん) new |
六角形 | |
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■麻の葉(あさのは) ■六つ手卍(むつでのまんじ) ■籠目(かごめ) |
■亀甲繋ぎ(きっこうつなぎ) ■毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう) ■組亀甲(くみきっこう) |
■三角形
鱗(うろこ)
正三角形または二等辺三角形を同じ方向に配列した文様。 魚の鱗または蛇の鱗に見立てる。 能楽や歌舞伎では多く蛇や鬼女などの衣装に用いる。 「鱗形(うろこがた)」ともいう。 《構成要素》 正三角形または二等辺三角形、交互 (No.002:2006/01/18) |
山路文(やまじもん)
「山道(やまみち)」とも言う。 とがったギザギザの山形が続く連続模様。 山が横に並ぶものと、縦に並ぶものがある。 《構成要素》 縞、角、山形、連続模様 (No.029:2006/09/28) |
■四角形
市松模様(いちまつもよう)
白と黒の正方形を、互い違いに並べた幾何学模様。 広義では、二つの色が交互に現われる、四角の連続模様。 フラッグ・チェック。ブロック・チェック。 古くは「石畳(いしだたみ)」。細かい石畳は「霰(あられ)」とも言う。 「市松」の名は江戸時代、1741年(寛保1)江戸中村座の歌舞伎役者・初代佐野川市松(1722~1762)がこの文様の袴を用いたのに起こる。 《構成要素》 正方形、交互 (No.001:2006/01/10) |
算木崩し(さんぎくずし)
三筋ずつの短い縞を縦横に石畳(市松)文様に配列した模様。 「算崩し(さんくずし)」とも言う。 「算木(さんぎ)」とは和算や易占に計算道具として用いる細長い木の棒。 三筋ずつ縦横に変化するので「三崩し(さんくずし)」と言うことも多い。 転じて、筋の本数に応じて「一崩し」「二崩し」「四崩し」「五崩し」などもある。 網代(あじろ)に編んだ文様と似ているので「網代組み」「網代文様」とも言う。 着物の帯地の織柄や小紋の文様などに用いられる。 《構成要素》 縞、石畳(市松)、縦横 (No.034:2006/11/23) |
角繋ぎ(かくつなぎ)
正方形の太い枠を打ち違いに重ねてつなげた文様。角つなぎ。 正方形の枠線の内側に細い2本の線を入れると、役者文様の「六弥太格子」になる。 《構成要素》 正方形、連続 (No.075:2009/04/23) |
檜垣(ひがき)/網代(あじろ)
「檜垣・桧垣・菱垣(ひがき)」ともいう。 「網代(あじろ)」ともいう。 右斜めの長方形の列と、左斜めの長方形の列が一段ずつ交互に組み合わさった連続模様。 交わる角度が直角でなく、長方形が平行四辺形になったものもある。 染織の地紋に用いられる。 「網代」は「網の代り」の意味で、魚をとる仕掛け。冬に、竹または木(柴)を細かく立て並べ川の瀬や湖に仕掛け、端にとりつけた簀(す)の中に魚を誘い込む。 また、竹・葦・杉・檜(ひのき)などを薄く削った細い板を、斜めまたは縦横に互い違いにくぐらせて編んだものを「網代編み(あじろあみ)」といい、天井・垣根・笠などに用いる。 ひのきの薄板を網代編みにした垣根を「檜垣」、竹を網代編みにして作った僧尼がかぶる笠を「網代笠」、竹またはひのきの網代で車箱を張った牛車を「網代車」という。 《構成要素》 長方形、斜め、繰り返し (No.032:2006/11/09) |
■四角形>菱形(ひしがた)
襷(たすき)
二方向の斜めの線が交差した幾何学文様。 線で区切られた枠が菱形(四辺の長さが等しい平行四辺形)になる。 「襷文様」「襷格子」「斜め格子(ななめごうし)」「菱格子(ひしごうし)」ともいう。 線の数や組み合わせ方で変種(バリエーション)が多い。 「たすき(襷・手繦)」は布でできた長い紐(ひも)。 (1) 和服の袖をたくし上げるために肩から脇にかけて結ぶ。 普通、背中で斜め十文字に交差(うち違い)にする。 (2) 細長い布を輪状にして、一方の肩から他方の腰へ斜めにかける。 陸上競技のリレー・駅伝競走のバトンの代わり。 選挙活動中の候補者などが名前を書いたたすきを肩から斜めにかける。 《構成要素》 斜め格子、平行四辺形 (No.044:2007/08/09) |
三重襷(みえだすき)
有職文様の一種。 斜線の襷格子の枠に菱を入れて三重とし、さらに菱の中央に四つ菱(武田菱)を入れた文様。 夏の直衣(のうし)の地紋に用いられた。 3本線の襷格子、または太い線と細い線を組み合わせた襷格子を「三重襷」と呼ぶこともある。 《構成要素》 斜め格子、四つ菱 ◇有職文様(ゆうそくもんよう) 平安時代以来、家格・位階・伝統に相応して公家の装束・調度につけた文様。 シルクロード経由のエキゾチックな柄が多い。 ◇直衣(のうし) 平安時代以来、身分の高い貴族(天子・摂家以下公卿)の平常服。 盤領(まるえり)大袖の表衣(うわぎ)。 「衣冠束帯(いかんそくたい)」よりカジュアル、「狩衣(かりぎぬ)」よりフォーマルな服。 (No.045:2007/08/23) |
算盤絞り(そろばんしぼり)
「十露盤絞り(そろばんしぼり)」「算盤縞・十露盤縞(そろばんじま)」とも言う。 小さい横長の菱形(ひしがた)を算盤(そろばん)の珠(たま)に見立て、縦横に一定の距離を空けて並べた連続模様。 絞り染めの手ぬぐいに多く用いられた文様。 《構成要素》 菱形、連続、縦横 (No.035:2007/01/18) |
松皮菱(まつかわびし)
「松川菱」とも書く。 幾何学文様の一種。家紋にも使われる。 大きい菱の上下に小さい菱を重ねた形。またそれが連続した模様。 三段に重ねられた菱の形が、はがした松の樹皮のように見えることに由来する名称。 桃山時代に特に流行した柄。 《構成要素》 三段菱 (No.046:2007/09/20) |
小波文(さざなみもん)
「へ」の字を重ねた菱形を互い違いに並べた連続模様。 青海波(せいがいは)の変形。 静かな波やさざなみ(細波・小波・漣)を表す。 「小波文」にはゆるやかな曲線を並べた意匠もある。 《構成要素》 菱形、連続模様、自然、水、海 《関連事項》 和柄 024:青海波(せいがいは) (No.109:2013/09/28) |
■六角形
麻の葉(あさのは)
麻の葉を図案化して組み合わせた連続模様。 六角形を基本とし、六角形の内側を18個の二等辺三角形に分割した幾何学文様。 もしくは長い方向に2つに分割した菱形を放射状に6つつなげた形。 麻は生長が速く丈夫なので吉祥文様とされ、特に子供の産着(うぶぎ)につける風習があった。 《構成要素》 六角形、二等辺三角形、菱形、連続 ※画像作製参照『Photoshop10分間パターンデザイン』古岡ひとみ〈MdN〉 (No.004:2006/02/22) |
六つ手卍(むつでのまんじ)
「六つでの万字」「麻の葉崩し」ともいう。 正六角形や麻の葉模様を基本に、同じ大きさの突起を3つ持つ図形をつなぎ合わせた連続模様。 部品の先端が集まる部分が「卍」に「┐」を2つ加えてに6本手が出ている卍に見えることからか。 「六つ手卍」は葛飾北斎『新形小紋帳』より ……『新雛形ぽち袋』(マール社)参照 「麻の葉崩し」は『唐草模様無双広益紋帳』より ……『江戸文様図譜』(熊谷博人:編著/クレオ)参照 「麻の葉崩し」「崩れ麻の葉」は、「麻の葉」のところどころが破れたような模様をさす場合もある。 《構成要素》 正六角形、平行線、連続 (No.078:2009/06/03) |
籠目(かごめ)
竹籠の編み目を形象化した文様。篭目(かごめ)。 並行する直線を三方向に60度ずつ斜めに角度を変えて重ねた幾何学模様。 竹籠に見立て、葦・柳・水鳥など水辺のものと組み合わせることも多い。 網目のひとつを紋章化した形、二つの正三角形を上下に組み合わせた形も「籠目」と呼ぶ。邪を払う力があるとされ、魔除けの印に用いられる。六芒星(ろくぼうせい)。ヘキサグラム。 《構成要素》 直線、正三角形、六芒星、繰り返し (No.033:2006/11/16) |
亀甲繋ぎ(きっこうつなぎ)
亀の甲のように、正六角形が上下左右にすきまなく並んだ文様。 「亀甲形(きっこうがた)・亀甲文(きっこうもん)」ともいう。 英語では「ビーハイブ・パターン(蜂の巣模様)」または 「ヘクサゴナル・パターン(六角形の模様)」。 《構成要素》 正六角形、連続 (No.006:2006/03/15) |
毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)
正六角形(亀甲紋)を山形状に三つ組み合わせた形を基本とする文様。 またこれを規則的に並べた連続模様。並べ方は複数のパターンがある。 仏教の守護神・毘沙門天(びしゃもんてん)の甲冑(かっちゅう/よろい)の模様に使われた。 《構成要素》 正六角形、連続 (No.049:2007/11/08) |
組亀甲(くみきっこう)
毘沙門亀甲(六角形を3つ並べた形)を編み目を出すように組んである文様。 三角形に並べた毘沙門亀甲3つで、外枠線が互い違いになるように重ねて並べて組んだ正六角形(亀甲模様)に見える。 《構成要素》 正六角形、連続、編み目 (No.055:2008/02/07) |