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清原なつの作品集リスト−4

本の雑誌社/その他

本の雑誌社 千利休
サボテン姫とイグアナ王子〈清原なつの忘れ物BOX1〉
二十歳のバースディ・プレート〈清原なつの忘れ物BOX2〉

その他 お産って自然でなくっちゃね
遺伝子は語る
「ぱふ」1983年9月号《清原なつの特集》


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本の雑誌社

千利休

千利休 出版社:本の雑誌社
初版刊行日:2004/11/25
装丁:多田進
〈A5判〉表紙ホログラム箔押し
付録:利休年表・起こし絵図「待庵」・
広告スペースに解説
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※一部のページが立ち読みできます。

タイトル 整理番号 初出誌 掲載号 ハヤカワ文庫
千利休 HZ01 描き下ろし  

♪侘び茶を大成した茶人・千利休の生涯を描いた長編マンガ。370ページ超は清原さんの作品では長編の部類です。『光の回廊』系の歴史物です。千利休の生涯に絡めて、三英傑(信長・秀吉・家康)など戦国時代の有名人がいっぱい出てきます。
♪あとがきによると、もとは監修者付きで他の出版社で出版準備していた企画が中止になり、ご縁があって本の雑誌社で刊行することになった作品だそうです。
♪茶道の教養と戦国史の知識があると、よりいっそう楽しめます。というか、最初の企画が「千利休の生涯をマンガでわかりやすく紹介」だったら、意図からはずれてしまったのかも。マンガに読みなれない人、茶道や日本史の教養のない人では理解しづらい作品だと思います。
♪戦国時代の血で血を洗う権力闘争と、豪奢と侘びの美意識の葛藤。
茶人に「名物」ともてはやされる高価な茶道具。「名物」を手に入れるために貿易や武器で財力を募る商人。「名物」の価値と人脈に目をつけた戦国武将。戦国時代をこういう視点で見るとなかなか興味深い。
♪登場人物の多さのわりにはページが少ないから、かなりエピソードをはしょられている人が多いですね。個人的に秀吉の弟・秀長が名前しか出てこないのが残念です。秀吉の人間関係を陰で支えていたこの人の死によって、利休と秀吉の間が抜き差しならなくなったと思っていますので。
♪登場人物はほとんど標準語なのですが、三英傑(さんえいけつ……って愛知県の人間しか使わない言葉か)だけ名古屋弁なのは清原さんのユーモアですね。三河(愛知県西部)の人間が聞くと、尾張(愛知県東部・名古屋)の言葉は、三河より美濃(岐阜県南部)に近いです。おそらく、信長が清洲越えで尾張の商人を多く美濃へ連れて行ったためと思われます。信長と秀吉は尾張生まれ、家康は三河生まれですが、幼少時代に尾張の織田家と駿府の今川家で人質生活を送っています。

〔表紙のことば〕
 私が生きた戦国時代は
 自分の才覚で
 身分という宿命からさえも
 自由になれた時代だ
 私は私の美意識に
 したがうことにした

サボテン姫とイグアナ王子〈清原なつの忘れ物BOX1〉

サボテン姫 出版社:本の雑誌社
初版刊行日:2005/05/25
装丁:日下潤一+小椋佐知子
〈A5判〉
収録話数:7
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タイトル 整理番号 初出誌 掲載号 備考
サボテン姫とイグアナ王子 HZ0201 野性時代 2004年8月号(Vol.9)  
五月の森の銀の糸 HZ0202 GROUP 1985年20号 同人誌
さよならにまにあわない HZ0203 ぶ〜け 1989年2月号  
カッパドキアの秋 HZ0204 ぶ〜けデラックス 1989年2月10日号  
ヴォーカリーズ HZ0205 コーラス 1992年2月20日号  
ロストパラダイス文書 HZ0206 ぶ〜けデラックス 1997年AUTUMN号  
とまとジュースよ永遠に HZ0207 GROUP 1980年5号 同人誌

♪「サボテン姫とイグアナ王子」掲載の『野性時代』は角川書店発行の小説誌。雑誌の特集の〈Hではじまる物語〉に沿った7ページの幻想譚。『野生時代 vol.9 (2004 8) 』はAmazon.co.jp からでも通信販売できます。
♪「五月の森の銀の糸」「とまとジュースよ永遠に」掲載の『GROUP』は同人サークル「作画グループ(SG企画)」発行の同人誌。この2作品は、版下紛失のため掲載誌より画像取り込みのため画質が荒いです。
作画グループは、聖悠紀、あずみ椋、神坂智子など有名漫画家が所属するSF系の大手まんが同人サークル。メンバー合作の『銀河を継ぐ者』が講談社から単行本化(講談社KCフレンド)されるぐらい有名どころです。清原さんは中学3年のとき(1970年頃)に入会したそうです。
♪「カッパドキアの秋」はトルコ旅行記。画面から推察するに、雑誌掲載時はカラーでしょうか。
♪一番衝撃なのが「ロストパラダイス文書」。なんか、繰り返し聞きなれたメロディをものすごいマイナー調で延々聴かされるような圧迫感が残ります。

二十歳のバースディ・プレート〈清原なつの忘れ物BOX2〉

バースディ・プレート 出版社:本の雑誌社
初版刊行日:2005/05/25
装丁:日下潤一+小椋佐知子
〈A5判〉
収録話数:11
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タイトル 整理番号 初出誌 掲載号 備考
二十歳のバースディ・プレート
〈1話1976〉
HZ0301 ぶ〜け 1996年11月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈2話1977〉
HZ0302 ぶ〜け 1996年12月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈3話1995〉
HZ0303 ぶ〜け 1997年1月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈4話1989〉
HZ0304 ぶ〜け 1997年2月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈5話1985〉
HZ0305 ぶ〜け 1997年3月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈6話1991〉
HZ0306 ぶ〜け 1997年4月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈7話1980〉
HZ0307 ぶ〜け 1997年5月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈8話1994〉
HZ0308 ぶ〜け 1997年6月号  
二十歳のバースディ・プレート
〈最終話〉
HZ0309 ぶ〜け 1997年7月号  
夏時間 HZ0310 office YOU 1998年8月号  
お嬢さんおてやわらかに HZ0311 SSM 42号 「ぱふ」1983年
9月号再録

♪巻末に作者あとがき、清原なつの単行本&作品リスト付き。『二十歳の〜』で単行本30冊目、作品は『千利休』で100作目(数え方によりますが)。
♪「お嬢さんおてやわらかに」に関しては、「ぱふ」1983年9月号の解説参照。版下紛失のため、掲載誌より画像取り込みのため画質が荒いです。
♪「二十歳(はたち)のバースディ・プレート」ある家族の一人娘が生まれてからの家族の歴史を綴る連作。「夏時間」は独身キャリアウーマンと専業主婦の友情。


その他

お産って自然でなくっちゃね ある産科医の真実の提言

お産って自然でなくっちゃね 健康双書〈B6判〉
出版社:農山漁村文化協会
初版刊行日:1992/12/20

著者:吉村正
まんが:清原なつの
カバーイラスト:三好京
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♪著者の吉村さんは岡崎で産婦人科医をされている方です。妊婦さんを集めて薪割りやぞうきんがけなどの昔ながらの生活をさせ、自然な出産ができるように指導しています。数年前にNHKのクイズ番組「誰もいない部屋」に出たことがあるのでご存知の方もいると思います。
♪清原さんの描いたまんが「桜木さんちのお産」26Pが収録されています。第一子を投薬・施術の多い現代的な病院で産んだ夫婦が、第二子を家族が見守る中で自然分娩します。
♪どういう経緯でこのまんがの仕事をすることになったのは不明ですが、実際に吉村先生の運営する「かりがね荘」でお産を取材して描かれたそうです。その後の清原さんの作品で、産婦人科の話が多くなるのはこの取材のおかげでしょうか。

遺伝子は語る 副題:霊長類から人類を読み解く

遺伝子は語る 〈四六判〉
出版社:河出書房新社
初版刊行日:2003/12/30

著者:村山美穂
監修:松沢哲郎
装幀:渋川育由
装幀イラスト:川村 易
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♪ハヤカワ文庫版『花図鑑(1)』のあとがきでおっしゃっていた、清原さんがさし絵を描いた「大学の研究室の先生の本」です。
♪手描きイラストではなく、パソコンで作成したカラーイラストを白黒に変換したもののようです。解像度が低いので、あまりきれいな線ではありません。
 あとがきで言っていた「パワーポイントをアクロバットでpdfにしてフォトショップでCMYKにしてイラストレーターのEPSにしろ」という指令の意図が少しわかりました。
 ※パワーポイント…マイクロソフト社製のプレゼンテーションソフト。学会の研究発表などに使われる。
 ※アクロバット……アドビ社製の閲覧用文書作成ソフト。フォントや文字の位置などがファイル作成者の意図どおりに作られた文書を閲覧することができる。アドビ社から閲覧専用の無料ソフトが配布されている。
 ※pdf……アクロバット閲覧用ファイル。
 ※フォトショップ……アドビ社製の画像加工ソフト。廉価版もあるがCMYK変換できる正規バージョンはすごく高価。
 ※CMYKにして……パソコンで作ったカラー画像の色表示の形式を、モニターに表示するRBGから印刷で使う4色分解にすること。
 ※イラストレーター……アドビ社製のグラフィックス描画ソフト。DTP印刷の版下作成にも使われる。
 ※EPS……DTP印刷用の画像ファイル形式。
♪清原さんの名前は「むすびに」に出てきますが、奥付などには明記されていません。表紙イラスト描いた人の名前は出ているのにな。
 ほかに、写真数点の撮影者として清原さんの名前が出ています。

♪本の内容は、動物の父子判定をDNA分析で調べる研究などを一般人に判りやすく説明した動物学入門書です。イヌの性格の違いと遺伝の関係を調べて盲導犬など人の役に立つイヌを育てたり、霜降り肉になる優秀なウシの種牛を特定したりなど、これから結果が出そうな現在進行形の研究を紹介しています。
 サルの群れの中で、強い雄は交尾の回数は多いけど、それが子どもの数の多さには比例しないという話はなかなか興味深いです。
♪村山先生がサルの子どもを育てるエピソードは「銀色のクリメーヌ」、アフリカの奥地に研究に赴くエピソードは「金色のシルバーバック」を思い出します。

「ぱふ」1983年9月号(通巻80号)〈清原なつの特集号〉

ぱふ198309 〈A5判〉
出版社:雑草社
定価:520円
表紙イラスト:もん(堀江裕子)

♪まんが情報誌(まんが専門誌)「ぱふ」の巻頭68ページに及ぶ特集記事。
・カラーイラスト4ページ。
・清原なつのインタビュー(1983.06.12/構成:恩田・榊・中村)
・筆記回答:小椋冬美・野口弓子
・イラストエッセイ:ごとう和
・全作品グラフィティ
・作品リスト
・名場面・名ゼリフ集
・金沢紀行(榊伴郁)
・清原なつののSF(岩田次夫)
・うたかたをつかまえるために−絶対的真理なる愛を求めて(藤村彩子)
・華子さんアルバム(名場面集)
・清原なつのに花束を(T.SAKAKI)
・再録「お嬢さんお手やわらかに」(作画グループ肉筆回覧誌『SSM』42号より)
・編集特記

♪再録まんがは、予定では作画グループの同人誌『GROUP』5号掲載の「とまとジュースよ永遠に」『サボテン姫とイグアナ王子』収録)を再録する予定でしたが、作画グループの“外販発行物である『GROUP』の掲載作品は他誌に転載しない”という規定のため再録できませんでした。その代わりに作画グループの御厚意により、内部で回覧された肉筆同人誌『SSM』42号掲載の「お嬢さんお手やわらかに」『二十歳のバースディ・プレート』収録)が再録されました。肉筆同人誌というのは、まだコピーやオフセット印刷が高価だった時代、各人が描いた原稿を直接製本して回し読みした1冊きりの同人誌です。インタビューによると清原さん高校2年の春休みの作品だそうです(作品の最後の日付は1973.9.15)。
「お嬢さんお手やわらかに」はタイムトラベル・タイムパトロール・アレックス博士・科学アカデミーとのちの〈アレックスシリーズ〉に共通するテーマが描かれていますが、直接〈アレックスシリーズ〉とつながる話ではありません。

♪私は中学生だった当時にこの「清原なつの特集号」を買って、清原さんのファンになりました。

※整理番号は管理人が仮に割り振った番号です。
※表中の〈ハヤカワ文庫〉は、ハヤカワ文庫(早川書房)に収録されている作品です。

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[2008/07/16]
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