宮城県美術館・名古屋市美術館・平塚市美術館・静岡市美術館「はじめての美術 絵本原画の世界2013」~絵本「こどものとも」を中心に

展覧会「はじめての美術 絵本原画の世界2013」が宮城県美術館を皮切りに、名古屋市美術館(愛知県)、平塚市美術館(神奈川県)、静岡市美術館(静岡県)を巡回します。
宮城県美術館が所蔵する1万点以上に及ぶ国内有数の絵本原画コレクションから、月刊「こどものとも」(福音館書店)を中心とした日本の絵本の原画を展示します。
横長の版型で一冊一話完結型の物語絵本のシリーズで1950年代から子どもたちに読み継がれてきました。
人気の高い26作家・43~46冊の絵本の原画約300点が展示されます(会場によって出品されない作品あり)。
◇「はじめての美術 絵本原画の世界」巡回予定
▽宮城県美術館(宮城県仙台市青葉区)
2013年4月6日(土)~2013年5月12日(日)
http://www.pref.miyagi.jp/bijyutu/mmoa/ja/exhibition/20130406-s01-01.html
▽名古屋市美術館(愛知県名古屋市中区)
2013年6月15日(土)~7月21日(日)
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/tenrankai/2013/ehon/
▽平塚市美術館(神奈川県平塚市)
2013年7月27日(土)~2013年9月8日(日)
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/2013203.htm
▽静岡市美術館(静岡県静岡市葵区)
2013年9月14日(土)~10月27日(日)
http://www.shizubi.jp/exhibition/future_130914.php




名古屋市美術館の「はじめての美術 絵本原画の世界」を見に行ってきました。
原画は絵本そのままのサイズで、トンボ(印刷の位置合わせの印)がついていました。印刷ではわからない紙や絵具の質感が興味深い。
個人的に印象に残った作品。
『ぐりとぐら』中川李枝子:作/大村百合子:絵
子どものときから一番好きな絵本。原画は50年近く昔に描かれたもので、印刷の工程で使ったテープののりが変色したりしていました。美術館でコレクションしてもらえば、この先は大事に残してもらえますね。
『ごろごろにゃーん』長新太:作・絵
細かいペン画でおおらかでユーモラスな世界を描きます。輪郭線が黒インク、水色インクで色を塗って、イエローオーカーで影をつける。
『なんきょくへいったしろ』瀬田貞二:作/寺島竜一:絵
瀬田貞二さんと寺島竜一さんのコンビといったら『ホビットの冒険』『指輪物語』。J.R.R.トールキンのファンタジー小説では荒々しいイメージだけど、この絵本は日本の動物園から南極観測船で南極に連れて行かれたアザラシの赤ちゃんの話。日本から南極に行くまでにアザラシは白い赤ちゃんではなくなるよ、というつっこみはおいといて、南極の自然や動物がカラーで描かれていて見応えあります。
『いちごばたけのちいさなおばあさん』わたりむつこ:作/中谷千代子:絵
原画はキャンバスボートに油彩とインクと鉛筆。幼稚園ぐらいで読んだときはいちごが色づく過程にわくわくしました。数十年たって本屋で再読して、絵を鮮明に覚えていて驚きました。
『ぺにろいやるのおにたいじ』ジョーダン:著/吉田甲子太郎:訳/山中春雄:絵
これも小さい頃に読んだ絵本です。すっかり忘れていたのに、30年以上たって思いがけず再読して意外に細かいところを覚えいて驚きました。もじゃもじゃひげのおに、ダイヤ型のたこを持った子ども、先のとがった靴、テントの中で遊ぶ子どもたち。原作から調べると面白いので、この本についてはまた詳しく書きます。
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