和田慎二流新撰組、幕末マンガ『あさぎ色の伝説』~和田慎二先生追悼

漫画家の和田慎二先生が、2011年7月5日、虚血性心疾患のため東京都西東京市の自宅で死去した。61歳。広島県呉市出身。
「スケバン刑事」漫画家…和田慎二さん死去  ― スポニチ Sponichi Annex 芸能
和田先生の作品は20年ぐらい前は夢中で読んでいました。
「スケバン刑事」は友達に借りて、「ピグマリオ」「超少女明日香」は自分でコミックスを買っていました。初期のSF・ミステリ色の強い作品が読み応えがあって好きでした。少女マンガの華やかさとアクション、謎解きが独自の世界を作っていました。
長年の間にほとんどの作品は手放してしまいました。
唯一手元に残ったコミックスが「あさぎ色の伝説」全4巻でした。
あさぎ色の伝説 全4巻


あさぎ色の伝説 1 (花とゆめCOMICS)
あさぎ色の伝説 2 (花とゆめCOMICS)
あさぎ色の伝説 3 (花とゆめCOMICS)
あさぎ色の伝説 4 (花とゆめCOMICS)
あさぎ色の伝説 全4巻【コミックセット】
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3巻は初版のタイトルは『あさぎ色の伝説 風のまつりうた』で巻数が入っていません。
「あさぎ色の伝説」は白泉社「ララ」創刊号(昭和51年)から掲載された作品。(2巻収録の読み切り「風車」)
その後「ララ」で連載され、LaLaデラックスコミックス版2巻が刊行されました。
『あさぎ色の伝説-試衛館の鷹-』LaLaデラックスコミックス版(白泉社)
初版:1977/10/20
『あさぎ色の伝説-試衛館の鷹-2』LaLaデラックスコミックス版(白泉社)
初版:1978/3/20
その後の連載分は新書判コミックスの花とゆめコミックス(白泉社)から『あさぎ色の伝説 風のまつりうた』(初版:1979/5/20)として刊行されました。
1・2巻も1979年8月に花とゆめコミックスから再刊行され、以降は『風のまつりうた』も内容は同じでタイトルだけ『あさぎ色の伝説(3)』に変更されました。
1979年以降は作品の発表がなく、全3巻かと思われた「あさぎ色の伝説」が、1988年(昭和63年)に花とゆめの別冊「花とゆめEPO」でコミックス1冊分の新作が連載されました。
1990年に花とゆめコミックス『あさぎ色の伝説(4)』(初版:1990/8/25)が刊行されました。
前作から10年以上たって刊行されたため4巻を買っていない人が多いらしい。自分は1990年ごろは「動物のお医者さん」目当てで花とゆめを買っていたので新刊で買いましたが。
「あさぎ色の伝説」は作者の意志で復刊をしなかったらしく、古本でも入手困難な作品となっております。
「あさぎ色の伝説」の1~3巻を買ったのは1988年ごろ。高校を卒業するころにデパートの古本市で買いました。この作品で新撰組(新選組)ものにはまり、子母澤寛『新撰組始末記』など小説やノンフィクションに手を伸ばすようになりました。
今読んでも面白いです。男の友情と武士道の美学。時代劇だから風俗が古びないから安心して読める。オリジナルエピソードが史実とうまく絡み合って、読んでいてにやりとさせられます。
4巻は芹沢一派粛清後の話まで。3巻巻末の新撰組年譜でいうと元治元年の春、桜の季節が終わるころ。
気が向いたら、また続きを描いて欲しかった。
和田先生のご冥福をお祈りします。
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