シングルスカル(ボート競技)ロンドン五輪代表・榊原春奈と「がんばっていきまっしょい」

ボート競技の女子シングルスカルで、18歳の大学1年生がこの種目で日本勢初の五輪出場を決めました。ボート競技は30歳前後に選手としてピークを迎えるとされ、10代でオリンピックに出場するのも日本初の快挙です。
榊原春奈選手(早稲田大学1年)は地元トップの進学校、愛知県立旭丘高校に入学してからボート部に入り、ボート競技歴はわずか3年ほどです。
身長182センチ、体重74キロの超大型新人。でもスポーツは苦手で、中学校時代は合唱部でした。
3月にあったレースで成人の選手たちを抑えて日本代表に選ばれて、4月に韓国で開かれる五輪アジア大陸予選で5位以内でロンドンオリンピック出場決定のところ、見事優勝しました。


18歳榊原、日本人初の女子シングルスカルで五輪出場 ― スポニチ Sponichi Annex ボート
(2012年4月30日)
朝日新聞デジタル:ボート競技歴わずか3年、18歳が五輪へ迫る
(2012年4月14日)
榊原選手の両親とも学生時代はボート競技の日本トップ選手で国際大会の出場経験があります。しかし、4人の子どもたちにボート競技を勧めたことはありませんでした。
医師の父・章浩さん(55)は東北大学時代、軽量級エイトで世界選手権出場。
主婦の母・由紀子さん(51)は、大学3年生の1982年に全日本女子選手権のシングルスカルで優勝。しかし女子は出場枠が取れず、五輪出場はできませんでした。
実は由紀子さんは愛媛県立松山東高校ボート部出身。高校時代の同級生でボート部の仲間だったのが、小説『がんばっていきまっしょい』の作者の敷村良子さんでした。
『がんばっていきまっしょい』は、敷村良子さんが自分の高校時代をモデルに書いた青春小説。愛媛・松山の高校を舞台に、ボート部の活動に打ち込む5人の女子高校生たちの姿を描いた。第4回(1995年)坊っちゃん文学賞受賞作。1998年に映画化、2005年にフジテレビ系でドラマ化された人気作品です。
由紀子さんは主人公たちの後輩の大西さんのモデルだそうです。
榊原選手はボートを始めたのは「なんとなく」と説明しているが、本当はお母さんみたいな青春を送りたいから。幼稚園の頃から何度も見た映画『がんばっていきまっしょい』にあこがれたからだそうです。
(「中日新聞」2012年7月4日(水)朝刊 34面(社会面)
 〈震災後の五輪 3〉ボート・榊原春奈
 母の見た夢 あこがれて 競技歴3年で代表に)
映画やドラマや競技の映像を見て、子どもたちがスポーツに夢を持ってくれるのはうれしいね。
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